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【秋冬スタート!】2020年AWオーダー・プレゼントフェア【ご案内】
20世期初頭のラウンジジャケット
スーツの期限まで遡る話です。
19世期中頃の英国貴族や紳士階級の生活では、夕食(ディナー)の席では基本的に正礼装である燕尾服を着用する事が礼儀(マナー)でした。
燕尾服は写真のようにテールコートを着なくてはならず、エレガントですが、やや窮屈な装いです。もちろん女性はドレス着用ですし、その席ではマナー通りの所作が求められ形式に乗っ取った会話がなされていました。
ディナーが終わると男女別々に別室の「ラウンジ」という寛いだ場所で、スモーキングタイムになります。そこはリラックスな会話もできる和気あいあいとした空間です。
男性は燕尾服からラウンジ用のジャケットに着替えます。
燕尾服と違い、現在のスーツのジャケットに近いテールが短く動きやすい服こそ今回ご紹介するラウンジジャケットです。
元はスコットランドの労働者が着ていたジャケットが原型です。
タバコを吸いながら寛いで着る服だったのでスモーキングジャケットとも呼ばれます。
日常の正装だったテールコートやフロックコートは、ジャケット、ベスト、ズボンそれぞれ違う生地で作られていました。
しかし19世期末ともなると、3つのパーツが違う生地で作られていること自体が次第に面倒くさがられ、かつお金もかかる、その上動きにくい。といったことから、次第にラウンジジャケットの共生地でベストとパンツを揃えるようになりました。スリーピースの登場です。
ラウンジジャケットが進化してスリーピースがとなって人気になり、紳士階級の仕事場や社交の場、乗馬でも着用されるようになりました。
それでも20世紀前半では正装に比べると、スリーピースは「カジュアルウェア」という認識だったと言いますから、21世紀の今と比べて驚きです。
このスーリーピースが基本となり、現在のスーツという形で一般的に着られるようになりました。
ということで・・・
カッター伊達が1900年頃着用されていたラウンジジャケットの型紙を入手してきたので、これを今の時代でも着用できるよう数回の仮縫いと型紙補正をしてみました。
そのラウンジジャケットが完成しました。
注目すべきは肩周りの袖の大きさとカタチです。
袖の付け根が普通のジャケットより幅広く作られています。
袖の付け根が幅広なのと、アームホールのカタチがノーマルなジャケットと比べて、縦長ではなく若干横に膨らんでいるため、驚くほど腕の動きが楽になります。
このラウンジジャケットを少し詳しく分解してみます。
上の写真はノーマルなジャケットの肩線です。
ネックの付け根から肩の中央に向かい、ストレートなラインが引かれています。
見た目も普通な感覚です。
世界的に見た目と仕立ての効率化から、この肩線のラインが一般的です。
こちらがラウンジジャケットの肩線です。
ネックから肩先の後方に斜めなラインになっています。実は1950年以前のジャケットはほとんどこの様な肩のラインでした。
肩線が後部に斜めになると、肩の稼働も楽になります。見た目は悪いのですが、
背広起源のヨーロッパ白人の背中には向いています。
次にジャケットの構造ですが、現代では上記のように3枚のパーツ、すなわち三枚パネルを縫い合わせて作られる事が一般的です。
このラウンジジャケットは二枚パネルです。
こちらも1950年頃までの一般的な構造です。その後補正とスリムな仕立てに便利な三枚パネルが主流になりました。しかしナポリのサルトリアなどでは今も二枚パネルで仕立て続けているお店も多数残っています。
ということで、この1900年頃のラウンジジャケットは、今アトリエで英国ポーター・ハーディング社のツイード生地で、みなさまにご試着頂けるサンプルを仕立てています。
この秋冬は、現代のスーツの原型になったこのラウンジジャケットをぜひ一度ご覧いただきたいと思ってます。
9月7日までにオーダーいただきますと、
下記早割特典がございます!
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本格イタリア、英国生地をご体感されるなら、ぜひ三洲堂テーラーへお越しください!
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