当店がオーダーシャツの製作を依頼している、Do1ソーイングさんの岡山工場を見学しました。
工場が立地する岡山県玉野市は隣接する倉敷市とともに、繊維産業と縫製工場が集中する地域です。
元々干拓地だったこの地域は江戸時代から埋立が本格化しました。土地から塩分を抜くために綿花栽培が盛んになり、後に厚手の綿織物の産地になりました。
戦前から作業着や軍服、そして学生服の縫製で栄え、戦後まもなく始めた国内ジーンズ生産は日本一になり、世界へ輸出もされています。
さて、工場に入ると100名以上のスタッフが忙しく働いている姿に驚きました。平均年齢29歳、ほとんどが地元出身の女性スタッフです。
入荷した生地は即日着分にカットされ、お客様のオーダーが入るとコンピュータ制御のCAMで裁断されます。
カラー(襟)型が80、ボディの形やカフス、ボタンや刺繍など含めると100万通りの組み合わせがあるオーダーシャツのパーツのカットが休み無く進みます。
一部特殊なオーダーは手断ち裁断もされていました。
各パーツは個別で縫われ、最後は組み立てられるのですが、そのほとんどが「立ちミシン」作業です。その代わり各パーツも組み立て工程も作業しながら人も動くので、疲れにくいという事でした。
組み立てられたシャツはボタンホールとボタン付けが施され、完成します。
最後はスタッフの手で一着一着アイロン掛けされ畳まれ梱包されます。
作業の工程全てにタブレットが置かれ状態が管理されています。
これまで15年以上取引きしていたシャツ工場さんですが、見学して改めて品質管理の正確さと質の高さを認識しました。
着分以上の生地をストックし、一着づつサイズもデザインも違うシャツを毎日着も仕立てる、その仕組みに驚かさされると同時に、私たちのアトリエにも生かさせる事が多数あり、勉強になりました。
翌日は国産デニムの産地らしい、ジーンズの染め洗い、各種加工を施しているニッセンファクトリーさんにうかがいました。
こちらはDo1ソーイングさんがデニムシャツを仕立てる際に、一点づつバイオウオッシュやケミカルウオッシュ加工を施しているファクトリーです。
工場に所狭しと並ぶ洗いや乾燥機。実際にストーンウォッシュでは小粒の軽石を混ぜて洗いをかけていました。洗いの後、機械が自動的に衣類と軽石を選別するのですが、ポケットに入った小石などはすべて手作業で取り除いているそうです。
ジーンズの後加工の現場では、研磨機を手に取り一定のダメージを与えたり、わざと古くなる加工をしたりと、計算されたダメージを加えられていました。
見学途中で、インディゴ染めの体験をいたしました。
薄くなってしまったデニムシャツなど、私たちも3点染めてみました。
出来上がりが楽しみです。
倉敷、児島、玉野のファクトリーや工場の見学は、実地にモノづくりの現場に入る事の大切さを再認識するとともに、「Made in Japan」ブランドに誇りをもつ技術者や職人、企業のの矜持を強く感じました。
明日の私たちのモノづくりに繋げていける・・・そんな2日間でした。
三洲堂テーラー
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