ダブルブレストを気軽に着る時代到来!
ダブルブレストのスーツやジャケットのオーダーが増えています。3年ほど前はシーズンで3、4着ほどしか無かったオーダーが、今では毎月2、3着ご注文を頂きます。
こちらは30歳ほどのお客様がオーダーされたフランネルのダブル。
こちらは50代の女性のお客様からのオーダーでお仕立てしたスーツです。
ジュリー(沢田研二)ファンのスタッフ、福留理恵子も白のダブルのスーツです!
【お客様】・・・今回オーダー頂いたお客様は70歳のスマートな男性。昔はバレーボールの選手でらっしゃったとか。
現役でお仕事についてらっしゃり、普段はダークスーツ姿がほとんどです。
カジュアルウェアは既製品もご愛用されてらっしゃいます。
【ご要望】・・・今回はプライベートから軽めの会議などで着用できるお洋服をご希望でした。
また最近は少しお痩せになってきて、特にヒップ周辺の筋肉が落ちてきたので、パンツの後ろ姿がお悩みでした。
【生地の選択】・・・カジュアルでビジネスでも兼用できるお洋服、は男性にとって尽きない命題です。
お客様はジャケットとパンツをご希望でした。軽く羽織れるカーディガンのようなものは既製品を持ってるので、どちらかと言えばクラシックなイメージの生地を探しました。
ネイビーのブレザーはお持ちなので、ミドルグレーの表面に起伏感あるロロ・ピアーナのウール&シルク&ポリアミド混紡のブークレ素材の無地に決定しました。
合わせるパンツは渋いワインレッドのサキソニーストレッチウールです。
ジャケット Loro Piana Wool &Silk 300g/m “SILK AIR”
パンツ TRAVALD TOGNA Wool Stretch 290g/m
【デザイン】・・・ミドルグレーは地味な色合いに分類されるので、デザインをダブルブレストにしました。
ダブルも長く着てないので、少しご不安な様子でしたが、ちょうど私もダブルを着ていた事と、仮縫いフィッティングでどうしても違和感があれば、シングルに変更もできるので、ダブルブレストに決定しました。
ダブルブレスト 6個ボタン2個掛け
「正六つ」という正統派。
ベントはサイドで切ります。
パンツはスマートにノータック、テーパードして裾幅は狭くダブル(カブラ付)にしました。
【お仕立て方法】・・・もともとBESPOKE のお客様です。
また、久しぶりのダブルブレストのジャケットというデザイン上のことや、お腹だけが少し出てきたので、「腹グセ」という腹部のダーツも入れなくてはなりません。
パンツはヒップラインをもたつかないようスッキリ見せたい。それには 入念な仮縫いフィッティングが必要です。
理想的な仕上がりが期待出来るBESPOKE でお仕立ていたしました。
【オプション】・・・イタリア製の玉虫色のライニングをお選びいただきました。
その上で胸ポケットの袋にも使い、ポケットチーフのように胸ポケットから出して使えるようにいたしました。これは最近流行りの小技です(もちろん無料です)。
ロロ・ピアーナの生地ですが、ボタンはLANVIN の立体感ある個性的なフォルム水牛釦をチョイスされました。このボタンはブランドを超えて人気があります。
【お客様のご感想】・・・入念な仮縫いフィッティングの効果があり、パンツのラインは美しく流れるようにフィットしています。まずパンツをはいた時点で驚かれました。以前お仕立てしたパンツもご持参され補正を依頼されました。
70歳の割にご長身のお客様のにダブルブレストがぴったり決まりました。前から見るとピークトラペルがエレガントです。
「背広」というネーミングからも、スーツは背中で着るもの、と言われています。このジャケットはお客様の丸味のある背中をすっぽりと包み、ウェストで自然に絞り、サイドベンツに流れるように落ちていきます。
大変ご満足頂いたお客様から、その場で追加の春夏物のジャケット+パンツのオーダーを頂きました。
【三洲堂テーラーから】・・・年齢を重ね、人生をさまざまに過ごし「似合う服」があります。
ダブルブレストのジャケットはお客様の魅力を引き出し、これからも服を楽しむ新たな楽しみが出来た、というご感想を頂きました。
テーラーという仕事をしていて、とても満足なひと時を頂けたお客様に感謝です!