秋色・・・というと皆様は何色を想い出すでしょうか?
山野を彩る紅葉や、晴れ渡った夕方にどこまでも続く茜色の鱗雲などなど。
私たちは仕事柄、シーズンになると店内の生地ストックに並ぶカシミアコート生地の色であるキャメル、すなわちラクダ色を思い起こします。
今日ご紹介するダブルブレストのブレザーは、イタリアの大手生地メーカー、カノニコ(CANONICO)社の360g/mフランネルウールでお仕立てしました。
カノニコはイタリア最大規模のファクトリーを構えています。生地のバリエーションも非常に多く、ノーマルなウーステッド系からフランネル、ツイード、リネン&シルクなど魅力的な生地を数多くラインナップしています。
例えば、個性的でハイクオリティなファブリックデザインで有名な、マーチャント(生地商)ドラッパーズ(DRAPERS)社などは、そのコレクションのほとんどをカノニコに依頼しています。
秋のマローネ(栗色)とでも表現できましょうか?
ブラウンの深みのある素敵な色合いです。
最近人気のブリティッシュテイストのダブルブレスト(通称ダブル)のブレザー、私もネイヴィーを愛用しています。胸を交互に深く覆って使う生地も多めですから、シングルに比べて贅沢に見えます。
デザインはブリティッシュなので、チェンジポケットをお付けしました。
背脇には当然サイドベンツが入っています。
このような6個ボタン×2個掛けのダブルブレストの前ボタンは、通常どのように止めておけばいいのでしょうか?
いつもなら上前身頃の2つともピッタリ掛けずとも、一つだけ掛けておいてもいいのですが、フロントの釦を掛けたくないなら、内側の小ボタンだけ留めておけば、だらしなく前が広がる事はありません。
ボタンは本水牛の艶有。一個づつ色合いが異なりそれが魅力になっています。
注目すべきはライニングです。
「甲州裏地」という日本を代表する柄物裏地産地、山梨県で織り上げられた和柄の裏地をお選びいただきました。空に舞う無数の雁たち。歌川広重の浮世絵の名作「月に雁」を思い起こさせます。
歌川広重作「月に雁」
※「月に雁」・・・・切手コレクターにとってはは、貴重品として有名です。私が小学校5年の頃「切手蒐集」という小学生にとってはお金のかかる趣味にはまってしまった頃、この名作「月に雁」はその頃(1974年)一枚¥8000ほどしました。とても手に入るような代物ではなく、切手図鑑を憧れをもって眺めていました。
話が脱線しましたが、
この秋のマローネ色のブレザー、昨日のご試着時にお客様はホワイトデニムをはいていましたが、ピッタリとお似合いでした。
色調がやや明るいので、明るめからダークな色までボトムスは合わせやすく便利ですね。
CANONICO (ITALY) 360g/m Pure Wool
ダブルブレステッド・ブレザーお仕立上りプライス(税別)
BESPOKE(仮縫い付きハンドメイド)・・・¥148000~
パターンオーダーメイド・・・・¥61000~
PreBESPOKE(仮縫い付きマシンメイド)・・・¥91000~
フランネルのブレザーに関してはこちらからもどうぞ
①ドラッパーズ「True Blue」極上フランネルジャケット
②Great Seamanship Navy Blazer【紺ブレ】