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【エッセイ】ズボン、スラックス、トラウザーズ、パンツ。違いは何?

2018年7月25日

世界最古の「ズボン」は、中国タリム盆地の墳墓から見つかった3,300年前のもので、遊牧民が馬に騎乗する際に着用していたものと考えられています。

 

同様のズボンは、イラン人やスキタイ人のようなユーラシア大陸の放牧民が着用し、さらにトルコ人からハンガリー人などに伝わりました。主に馬に乗る際に便利なので遊牧民とともに、ズボンは世界中に広まりました。

 

 

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※ドイツ北部の遺跡から発掘されたズボン、4世紀ごろ。

 

 

 

日本語の「ズボン」は便利な言葉です。両足を入れる下衣の総称です。

前回のエッセイで、ズボンの語源をこのように書きました。

 

 

・・・一説によれば、フランス語の「JUPON」(スカートの下に履くペチコート)からきているそうです。しかし、日本人らしい発想で、「ずぼん!と足を入れる」から来たという説もあります。

 

日本語の「ズボン」という呼称は江戸時代末期に広がりましたが、日本での正式な当て字は「洋袴」です。日本では既に「股引」というズボンの形状に似た下衣もありました。ズボンが一気に広まったのは、幕末の長州戦争や戊辰戦争に多数の兵士が参加してからです。素早く動けて、生地も暗い色なら相手の銃が狙いにくい。明治維新から後、ズボンは一挙に広まりました。

 

 

 

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※戊辰戦争の庄内藩兵士たち。

 

 

 

それでは、英語の「トラウザーズ(Trousers)」とは・・・

 

トラウザーズという呼称は、主に英国で使われます。ズボンの総称と言っても差し支えないのですが、何故複数形かといえば、その昔男性はショーツの様な短いズボンと、タイツを付けていました。近代になりこれが合体しトラウザーズになりました。

 

今ではスーツのジャケットと対になったズボンをトラウザーズと呼ぶ事が多いです。

 

 

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※19世紀フランスの庶民がはいた「サンキュロット」。

 

 

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※スーツの対のズボン=トラウザーズ

 

 

「パンツ(Pants)」は米語です。ズボンの総称になります。しかしあまりにもメジャーな呼称なってきたので、ついに最近では英国内の洋服店でもパンツという言葉を使うようになりました。

 

ただし、アメリカではともかく英国では下着のパンツと誤解され易いので、ご注意ください。

 

 

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「スラックス(slacks)」のslackとは、「ゆるい」という意味です。

 

腰回りからヒザ、裾にかけてゆとりを持たせたズボンの総称でしたが、時代が下がるにつれて、「替ズボン」すなわちジャケットとは別に着用するズボンの事をスラックスと呼ぶようになりました。

また女性用の制服や就活等に使われるズボンの事を「スラックス」と呼びます。

 

 

 

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厳密にいえば、上記のようにズボン、トラウザーズ、パンツ、スラックスは本来の意味があるようですが、現代ではあいまいに使われています。

また、英語圏でも英国と米国では使われ方も違うのでちょっと頭の隅にいれておくといいでしょう。

 

 

三洲堂テーラーでは、スラックス、トラウザーズ、デニムやコットンなどのパンツ、すなわちズボン単品のオーダーも歓迎です!

 

夏はズボンも痛みがちです。

 

ぜひ数を持っておきたいです。

 

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ぜひオーダーメイドで理想的なズボンを作ってみてはいかがでしょうか・・・?