梅雨の合間に、さわやかな晴天が広がりました。
・・・・・と、思っていたら鹿児島を象徴する山から、またもモクモクとうす茶色の憎っくき火山灰が降ってきました。ただでさえ中国大陸に近いここ鹿児島は、PM2.5の影響で薄曇りの日が多くなっているのに、最近は随分火山活動が活発です。観光にいらした方は面白いのでしょうけど・・・。
この店舗がある繁華街、天文館には今日も多くの中国系の観光客の皆さんでいっぱいです。自撮棒片手に賑やかです。たまに来店されますが、オーダーは時間がかかるので皆さんあきらめてお帰りになります。しかし、「メイド・イン・ジャパン・スーツ」には関心があるみたいですね。
さて、かつての中国の最高指導者、毛沢東がよく着用していたスタンドカラースーツの襟型から、「マオ・カラー」とよばれている襟型のジャケットがあります。
今回オーダーをいただいたマオカラージャケットは、お客様のリクエストで夏用のカジュアルな雰囲気になりました。
生地はゼニアの夏の人気物、「クロス・プライ(CROSS PLY)」。ウール50%、シルク30%、麻20%の三者混紡です。
CROSS PLYはジャケットにも使われますが、ゼニアでは今シーズンはスーツやトラウザーにも推しています。しっかりとした織りでヒザが出ないように工夫しています。
サマーウールにシルクと麻を加えると、ザックリ感と光沢、麻の持つカジュアルな雰囲気が混ざり合い、とてもいい感じの夏生地コレクションです。
ジャケットのデザインのご希望は、胸と腰に合計4個の玉ブチポケットを付けて、例えばサングラスやちょっとした小物を入れて、Tシャツやポロシャツの上に羽織りたい、とのことでした。
仕立職人はベテランの黒木です。
フロントは5つボタンですが、真ん中の2個くらいを掛ける位で着ていただきます。大柄なお客様ですから、肩はナチュラルな雰囲気でパッドも少なめにしました。毛芯は基本的に一枚です。
仕上げの最大ポイントはマオカラーの立ち具合です。
ここがうまくいかないとジャケットの感じが今一つになります。
ボタンは本水牛の皮付ホワイトが馴染みました。
ライニングは同系色の明るめのベージュです。
しっかりとした台場を無くし、わざと既製品の様なストレートな裏仕様にしました。あくまでも柔らかい着心地の良さを重視した作りです。
仕上がったジャケット、お客様はご旅行や普段使いの服として、早速着てみるとのことでした。この夏の愉しみになるゼニアのCROSS PLYジャケット。
皆様もぜひご検討下さい!
Ermenegildo Zegna CROSS-PLY 210g~230g/m。
(生地によりウール・シルク・リネンの配分率が違います)
ジャケット・お仕立て上りプライス(税別)
BESPOKE(フルオーダー/仮縫付・ハンドメイド)・¥168,000~
パターンオーダーメイド・・・¥86,800~