抜けるような春の青空の下、ここ鹿児島市中心部でも、ソメイヨシノの開花が観られました。
昨年より約一週間早いらしいです。昨年の桜は早々に花と葉が混ざり合う「葉桜」になってしまい、「鹿児島の桜」は残念なものでした。今年こそは満開の桜木の下で、お花見ができるとありがたいですね。
店内は春夏シーズンのスタートが始まり、春物のスーツや、ジャケット、はやくもピュアリネン(麻)などのオーダーが入っています。
その中でも、先日入荷してきたロロ・ピアーナの「EVENTS」というウール&シルクのグレーの生地は、この春夏ものとしては芸術品に近い完成度です。
現在、SPRING STARTER FAIR 開催中!
フルオーダーでは、オーダーシャツまたはオプションライニング
パターンオーダーでは、オプションボタンまたはシロセットプレス
をプレゼントしています。
昭和54年に当店でお仕立てしたモーニング・コートをお預かりしました。
※BESPOKE(フルオーダー)は、すべて内ポケット内に、日付・作成者名等記入してあります。こちらのモーニングコートの証紙はすでにインクが薄くなり、ようやく読めるほどでした。
お客様のお義父様が仕立てたモーニングコート三揃は、当時の生地らしくコートとチョッキは黒ドスキン、コールズボンも500g/mはあろうかというストライプ生地を使っています。
生地が頑丈な上にしっかり仕立ててありますので、お義父が若い頃に作られて、仲人や式典にご愛用されたモーニング・コートを、お客様がご自身のお身体に合わせて仕立て直しをされても、全く普通に使えます。
お客様はお二人の御子息様、つまりお義父様のお孫さまのご結婚式でこのモーニング・コートをご着用されます。
三世代を超えて愛用されるお洋服。仕立てた当店も昭和54年当時、創業者の祖父が店に出ていた時代です。私たちもお客様と同様、三世代にわたり、このモーニング・コートとご縁があるわけですね。
そのお客様がオールシーズンでご着用できる黒の礼服をオーダーされました。
イタリアのエルメネジルド・ゼニア(Ermenegildo Zegna)、250g/mというオールシーズン物、すなわち合服生地です。
といっても、ゼニアのスーパーファインウールですから、Super120`s相当の艶やかなブラックです。「トラヴェラー」というネーミングから判るように、シワになりにくく、かつ回復性の高い機能的な生地です。
デザインはシングル2個釦、ピークトラペル、ノーベント。正統派のブラックスーツならピークトラペルで1個ボタンだけ、というカタチが基本です。しかしそれでは少しキザではないか?とお客様がお考えになり、フロントは2個ボタンになりました。
ゼニアのトラヴェラーは生地に張りがあり、肩から胸の上半身からウェストからヒップにかけて、ジャケットが美しく見えるボリュームを作り易い長所があります。
大きめな袖を、小ぶりなアームホールに十分に「いせ込み」、肩が動かし易く立体的な袖を作ります。着心地を左右するポイントの一つです。
今回は共生地の黒のウェストコートを作りましたが、追加して通称「白チョッキ」と呼ばれる礼装用のライトグレーのウェストコートもお仕立てしました。
お祝いの席などでこの白チョッキを着用すれば、とても華やかな雰囲気になります。グレーのコールズボンを合わせていただくと、「ディレクタースーツ」という昼間に着る服としてはモーニングの次に格式の高い礼装になります。
しかも一度お仕立てしたら約10年以上はご着用されることと思います。だからこそ、しっかりとした上質な生地と、しっかりとした仕立てが必要ですね!
三洲堂テーラーでは、ご紹介したゼニアのトラヴェラー始め、様々なブラックスーツ用の生地を揃えています。
礼服のご新調をお考えの際は、ぜひご相談下さい!
ゼニア・トラヴェラー 250g/m 100%Superfine wool
ブラックスーツお仕立て上りプライス(税込)
BESPOKE(フルオーダー・仮縫付・ハンドメイド)・・・¥259,000~
SARTORIA(パターンオーダーメイド)・・・¥145,700~