美しい冬生地、イタリア、エルメネジルド・ゼニアのエレクタ(ELECTA)生地で仕立てたスリーピース・スーツが完成しました。
「エレクタ」=ELECTA はゼニアを代表する冬生地になります。
生地の厚さを図る指標数値の「目付き」は、320~340g/m。Super120相当の細番手の糸をたっぷりと使い、しっかりとした織でボリュームを出しています。
やや明るめの紺は、冬のスーツながら明るく軽やかなイメージです。
お客様は最近冬服はすべてスリーピースです。じかも紺無地が多く体型もあまり変化がないので、周囲からはいつも同じイメージでみられるらしいのですが、それが良いとのことでした。
肩の下がりが左右で大幅に違うために、裁断士・伊達の補正も毎回緊張いたします。型紙がある程度合っているのですが、お客様も毎回微妙にコンディションが違いますし、生地も毎度それぞれのクセが有りますから、補正が大切です。
今回はラペルのロール感をたっぷりと出しました。
アイロンなどなくても、こまやかな「ハ刺し」を施すことで、衿が美しく弧を描きます。胸にボリューム感が出て、ウェストにかけてシェイプするドレープと相乗効果もあって、スーツに優美な男性美が出現します。英国ロンドンのサヴィル・ロウではぐくまれた技術は、この極東の仕立職人にも受け継がれているようです。
ラペルのロール感とともに、大切なポイントは袖付けです。袖はたまご型のアームホールを包み込み、イセ込まれながら付きます。袖はお客様の腕と同じ方向に付かなくてはなりません。
ウェストコート(チョッキ)はボディにほぼジャストフィットで作ります。チョッキの背中はジャケットのライニングと同じ裏地を使います。
ライニングとボタンはゼニアのオフィシャルをお選びいただきました。生地となじみいい雰囲気になります。
厳しい冬の寒さが続いています。仕事で着用するスーツも肉厚な冬生地、例えばこのエレクタのような少々ヘヴィーウェイトなものや、フランネルやツイードなどのが増えています。
そしてスリーピースやダブルブレストの出番となります。
三洲堂テーラーでは、冬のSALE中です。ぜひ皆様もクラシックで防寒も兼ねるスリーピース・スーツにご挑戦されてみてはいかがでしょうか?
Ermenegildo Zegna ELECTA 320-340g/m
スリーピース・スーツ お仕立て上がりプライス(税別)
BESPOKE(フルオーダー)・・・・¥248,000から
SARTORIA(パターンオーダー)・・・¥124,000から