オーストラリア最南部、タスマニア島は我が日本の北海道よりもやや小さい面積の島です。南極海に面した気候と風土は北海道に似ているようです。夏は最高気温24度、冬は雪が多く5度。
ただし、雨が多く電力は全て水力発電でまかなわれています。
1642年、オランダ人タスマンにより発見された島は、その後英国の流刑地として開発され、今では風光明媚な観光地であり、農業と牧畜で有名な州となりました。
学生時代の最後の年、私はオーストラリア一周旅行をしていましたが、調整がつかずタスマニア島には渡れませんでした。旅の途中でオーストラリアの人たちからタスマニアは我が国の最後の楽園だよ、と言われていたので残念でした。
そのタスマニア島で飼育されているメリノ羊から採取される最高級のウールは、本土の羊毛に比べて柔らかく、しなやかで繊維の細さで有名です。
なかでも、スーパーファインウールと呼ばれるSuper100‘s(18.5マイクロン)以上の細さのウールは非常に評価が高く、本日ご紹介するウィンター・タスマニアン(Winter Tasmanian)のスーツをご覧いただけますとその上質感が判ります。
ウィンタータスアニアンについて詳しく表記したページはコチラ!
表題にロロ・ピアーナのウィンター・タスマニアンは同社のフラッグシップ(旗艦)と私が勝手に表記しています。というのも、この20年BESPOKE TAILORとして、数々の冬物生地に触れてきましたが、この生地ほど立体的に仕立て上り完成度が高く、しなやかで艶のある生地はなかなかお目にかかれません。
ということで、写真のスリーピース・スーツはウィンター・タスアニアンのオルタネート・ストライプでお仕立てしました。
シングルブレスト2個ボタンですが、お客様のリクエストで腰ポケットはやや斜めのスラントポケットにしています。背中はサイドベンツを切りました。
毛芯がベースになっている張りのある生地は、肩からバスト、そしてウェストへ美しいドレープを描いてくれます。
やや小さめのアームホールに付く袖は、十分にイセ込まれて円やかで立体的な曲線を描きます。着心地を左右する大切なポイントでもあります。
上質な生地はたっぷりと贅沢に使い、身体を覆いたくなるのがテーラーの性(さが)です。今回もウェストコートをおすすめし、スリーピースでお仕立てしました。
ウェストコートの背中にはジャケットと同じライニングが付きます。
今回はロロ・ピアーナのオフィシャルロゴ入りネイヴィーのキュプラをお選びいただきました。
ボタンは貴重なバッファローホーンを使いました。表生地が上質なので、とても高級感がある釦を使わないとバランスがとれません。
年の瀬が近づいて、いよいよ寒くなってきました。忘年会はじめ行事も目白押しです。
ウィンタータスマニアンのスーツは、普段のお仕事から大切な会議や式典などでご活躍いただけるものと思います。
Loro Piana WINTER TASMANIAN Super150`s WOOL 340g/m
スーツS上下・お仕立て上りプライス(税別)
BESPOKE(フルオーダー・仮縫い付きハンドメイド)・・・¥374,000
SARTORIA(パターンオーダーメイド)・・・¥213,000