今秋冬シーズンはコートのオーダーがとても多く、少し驚いています。
ラグランコートのご指定も多く、裁断士(カッター)はとても緊張しながら製図と裁断をしています。ラグラン袖は「肩」と呼べる部分にあいまいなラインが引かれてしまうと、全体のフォルムがオカシクなってしまいますので、特に注意です。
このほどコートのオーダーをいただいたお客様のリクエストは「着流し風のコートを作って欲しい」とのこいうことでした。具体的にいえば、スーツの上からではなく、シャツやセーターの上に軽やかに「抵抗なくさらりと着る事ができるラグラン袖のコート」のリクエストです。
生地はお客様からのお持ち込みで、イタリアのメーカーが織り上げた「甘く柔らかい」ピュアカシミア生地で、最高の手触りと柔らかさです。
さて「着流しの様なコートをおまかせで・・・」といわれて、スタッフ、裁断士、裁縫士とともにミーティングをしました。いったいどのようなデザインするのか、芯地をはじめ構造はどうあるべきか・・・といった事を話し合いました。
デザインとしては長身のお客様の特長を生かし、フロントネックポイントを普通より大幅に下げました。身長164センチの私が、踏み台に乗って180センチの高さになり仮縫いと試着をしました。
カラーはフロントの台を無くし、そのままネックに取り付けました。剣先13センチの長いカラーですが、身頃に沿って雰囲気よく収まりました。
一枚芯で仕立てた本体はラグラン袖ということもあり、とてもリラックスした着用感を得られます。お客様のご体型に合わせたバランス調整もしてあります。
共生地の帯を背中で束ねて、ノーマルなコートとして使ってもいいです。
背中もやや広めに取り、帯でブラウジングするとクラシックな雰囲気です。
お客様は東京から仮縫いの都度、ご都合をおつけいただき鹿児島までお越しいただきました。
そのお気持ちに応えるようにお仕立ていたしました。
この冬、このコートをさらりと着流しのように着て、銀座界隈をご散策いただければ、ありがたいですね!お役に立っていただけると嬉しい事です!
三洲堂テーラーは、お客様の様々なお洋服のリクエストにお応えいたします。
コート、スーツ、ジャケット・・・お洋服の色んな事、ぜひお気軽にご相談ください!