スタンドカラー(立襟)の付いた背広や上衣の事を、「マオカラージャケット」または「ネルージャケット」と呼びます。
「マオ」は中華人民共和国の初代首席「毛沢東」の事であり、
「ネルー」はインド共和国の初代首相「ジャワハルラール・ネルー」の事です。
ただし、マオカラーと言う割には、毛沢東は普段シャツカラーのジャケット、いわゆる人民服を着用していました。マオカラーの写真が残っているのは青年時代のみです。
インドのネルー首相の方が、スタンドカラーのジャケットを常日頃着用していましたから、英国では「ネルージャケット」の呼び名が一般的です。
ということで、新しいマオカラースーツが完成しました。
お客様との間では「マオカラー」スーツと呼んでいましたので、この名称を使います。
大きめのラペルとカラーが付いたノーマルなジャケットに比べ、マオカラーは隠れた場所にダーツを取る事が出来ません。
したがって、胸幅の大きなご体格の立派なお客様には、既製品やパターンオーダーのマオカラースーツではうまく着こなす事が出来ないのです。
したがって胸幅が大きい逆三角形のご体格のお客様は、身体をすっぽりと包み込むマオカラースーツにはなかなか巡り合えない、とのことでした。
BESPOKE TAILORとしては、ダーツを入れるべきポイントを製図上で展開させて、バストの高さと幅を出しました。その結果無理なくバランスの良いジャケットが出来ました。
「マオカラー」という呼称のスタンドカラー(立襟)。
すっきりとした凛々しい印象です。
4個ボタン、サイドベンツ、スラントポケットのシンプルなマオカラージャケット。
生地は明るいブルーのゼニア、トラヴェラー(250g/m)です。
ボタンは本水牛の革付白釦です。
雰囲気がある立体的な釦になります。
総裏のライニングはシルバーの柄物です。
表のブルー対照的なはっきりとした色合いが美しく映えています。
お客様は、このスーツをご結婚式にご着用されるとのことです。
美しい光沢とバランスのよいマオカラースーツが、ご結婚式にまたひとつ華を添えることでしょう・・・。
マオカラースーツ・お仕立て上りプライス(税別)
BESPOKE(仮縫い付きハンドメイド)・・・¥178,000~
SARTORIA(パターンメイド)・・・・¥78,000~