昨日からこの天文館地区は夏祭りのまっただ中です。
目の前の中央公園では数基の神輿が、今日の「おぎおんさあ」すなわち「祇園まつり」での出番を静かに待っていました。私もこの鹿児島商工会議所青年部の「八番神輿」を担いだ経験がありますが、お祭りの神輿は担ぐ方も担がれる方も気分がいいものです。
「淡路しじら」という縦縞の綿のゆかた姿は、粋な雰囲気のある着物です。「しじら織り」は男性のコットンサッカーのような盛夏向けの涼しい生地です。
洋服もそうですが、粋に着こなしは常に意識していることが必要です。意識の積み重ねが経験となり、さらに自分のファッションが磨かれます。そのうちに意識しなくともスーツや着物が身体に馴染んでくるものです。
黒の礼服、しかもスリーピースがこのほど仕上がりました。
生地は全くの合服であるウール250g/m、エルメネジルド・ゼニア(Ermenegildo Zegan)の「TRAVELLER(トラヴェラー)」です。
寒暖の差が激しい日本において、真の意味で「オールシーズン」の服は存在しないのですが、非常に上質な生地を使って一着だけ作るとすれば、このトラヴェラー生地がおすすめです。
ただし、ジャケットはライニングを「背抜き」にし、かつ寒さにそなえてウェストコートを作ることで、暑い夏から冷たい冬の気候まで対応しました。
ウェストコート(ベスト)はとてもシンプルなデザインです。
5個ボタンのストレート掛け。身体にぴったり馴染むよう仕立てました。
シングル1個ボタン、ピークトラペルのデザインは礼服の基本形です。
非常にノーブルな雰囲気があり、お祝いも喪も兼用する黒の礼服としては、使いやすいデザインになります。
フロントボタンはタイコ釦、すなわち拝み合わせボタンになっています。
モーニングやタキシードでも用いられるフォーマルな雰囲気ですね。
黒の礼服ですが、どこかに遊びが欲しいところです。
今回は釦をゼニアのロゴ入りオフィシャルナット釦の黒にしました。
同じくライニングもオフィシャルのドット柄入りブラックです。
このブラックスーツはゼニアのトラヴェラー生地でお仕立てしました。
シワになりづらく、さらに回復性もいい生地です。遠出しての冠婚葬祭にも向いている素材ですね。
Ermenegildo Zegna TRAVELLER 250g/m Superfine Australian Wool
スーツS・三揃いお仕立て上りプライス(税別)
BESPOKE(仮縫い付きハンドメイド)・・・¥288,000
SARTORIA(パターンオーダーメイド)・・¥153,000