ここ数日、梅雨の合間を縫って出張しておりました。
梅雨寒の雨の平日は銀座もそれほどの人出が無く、じっくりいろんな店舗やお客様を回ってこれました。
銀座に出来た新しいテナントビルに、蔦屋書店が入っていたので、かねてから欲しかったフランス人のルネ・グリュオー(René Gruau / 1909 –2004)というイラストレーターの画集を手に入れました。
ルネ・グリュオーは、ディオールやジバンシー、ランバン等のオートクチュールブランド(高級注文服)全盛時に、ブランドのイメージを描いたり、ヴォーグなどの表紙も飾ったりと、とても人気のあったファッションイラストレーターです。
メンズファッションの分野でも作品を多数残しています。ドーメルやスキャバルといった生地ブランドのイラストも手掛けていて、生地しか展示するものが無い固いイメージのテーラーの店頭を、さりげなく素敵に飾っていました。幼少の頃の店のイメージは、かなりルネ・グリュオーの描くイラストが占めています。
グリュオーの画集を抱え、かねてから行ってみたかったどら焼きで有名な上野の「うさぎや」さんへ向かいました。古風で簡潔な店の作り。「明日まで日持ちするけど、今日食べないと美味しくなくなるよ」と断言する店の旦那さん。出来たてのふっくらと温かいどら焼きを不躾ながら店先でいただきました。美味いものです。
ということで、これからのご出張に便利な一着をご紹介いたします。
シックなネイヴィーのジャケット。生地はエルメネジルド・ゼニアのクロス・プライ(CROSS PLY)。ウール&リネン&シルクの三者混生地です。
シンプルな2個釦、生地があきらかにジャケット向けの起伏感ある素材ですから、ポケットもノーマルなフラップ付きです。ベントはサイドで切りました。
ゼニアの三者混CROSS PLYは起伏感ある表情ながら、シルクの光沢と高級感も溢れています。肩からウェストにかけてのラインも美しく造形できました。
ボディに沿った美しい袖もBESPOKEの特長です。人は皆それぞれ腕の付き方が違います。仮縫いフィッティングで袖の向きや大きさ、型を調整いたします。
写真で見ても優美なラインを描く袖ですが、実際にお袖を通していただけますと着心地の違いが判ります。
立体的なラペルの作りは、裁縫士の加治木が得意な技です。
師匠の黒木も立体感を出すのが得意でしたから、まさに伝統は受け継がれています!
ボタンはゼニアのオフィスシャルのシェルボタン(茶蝶貝)。
リネンも混紡のジャケットなので袖は本切羽にいたしました。
ライニングはゼニア・・・ではなく、少し面白いライトブルーの柄物をお選びいただきました。
合わせてハイツイスト(強撚糸)使いのパンツもオーダーをいただきました。
これからの本格的な夏のご準備が完了されましたね~。
ぜひお仕事やプライベートのお伴にご愛用いただきたいものです!
Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)
CROSS PLY(WOOL&SILK&LINEN)250g/m
ジャケット・お仕立て上りプライス(税抜き)
BESPOKE(仮縫い付き・ハンドメイド)・・・¥173,000~
SARTORIA(パターンオーダーメイド)・・・¥88,800~