鹿児島市北部の磯庭園(仙厳園)周辺は世界遺産を含む鹿児島の「歴史地区」というべきエリアです。この磯庭園に島津興業さんの旧社屋が建っています。
※この洋館は今の場所に移築される前は、甲突川河畔の城西町に建っていました。島津興業さんのご本社だったこの雰囲気のある洋館に、当時学生だった私は店の手伝いで展示会の案内状を届に行きました。総板張りの事務室を抜けて案内された風格ある役員室は、今も鮮明に記憶に残っています。
文化財にも指定されているこの洋館に最近スターバックス・コーヒーが店舗を作りました。
丸に十の字は島津家の家紋ですが、その横に見慣れたスタバのロゴがさりげなく佇んでいます。
陽光眩しい外から中に入ると、仄暗く見える店内は大変落ち着いた雰囲気です。
「今日の格好」は英国製リネン&コットン&シルクのサマーツイード生地のダブルブレストのジャケットに、ウール&モヘアのトラウザーという初夏の装いでした。
前にもご紹介しましたが、実はこのジャケットの背にはちょっとしたディテールが加えられています。背中心に沿って通常なら使わない「生地の耳」を使いました。そこには「MADE IN GREAT BRITAIN」と表記されています。
少し汗ばむ位だったので、ジャケットを脱いでしましました。
着ているシャツは当店でも人気の「デニム・ドレスシャツ」です。
今日のようにネクタイを付けてもOK,ノーネクタイでもいい雰囲気です。
窓外には陽光映える錦江湾。その向こうに桜島が控える絶好のロケーションです。
隣接する薩摩ガラス工芸では、ベテランの職人グループによる、薩摩切子作品の中で最も難しい作品「ちろり」の製作が行われていました。
ギャラリーで垣間見た薩摩切子のクリスタルガラスは、薩摩切子ならではの「ぼかし」が入り、美しい色のグラデーションが複雑に刻まれています。
伝統工芸に向かう職人さんたちの真摯な作業に、当店のアトリエ思い起こしながらのひと時でした。