現在のメンズスーツ市場において生地のクオリティは、そのままプライスと直結しています。
しかし、10年ほど前までは「ライセンスブランド生地」が大手を振って市場にまかり通る時代がありました。「ピエール・バルマン」、「クレージュ」、「ランセル」、「レノマ」「トラサルディ」(!)・・・とても紳士服生地を織っているとは思えないブランドを国内の商社がライセンスだけ付けて売り飛ばす、そんなイージーな商習慣とブランドならカッコいいとおもう日本人ならではの気質から、よく売れたものでした。
しかし、そんなライセンスブランド商売の時代ははメッキがはがれるように過ぎ去り、消費者は本当にクオリティの良い物を安心できるプライスで求めている時代になりました。
数ある生地ブランドの中でも、その質と完成度の高さから満足度の高い生地ブランドの代表がイタリアの「エルメネジルド・ゼニア(Ermenegildo Zegna)」です。
ウールの原毛からこだわり、オーストラリアの最高品質のウールを買い付け、自らのファクトリーで最終工程まで生地を織りあげる。
テキスタイルそのもののクオリティに加え、洗練されたデザインを毎シーズン提案する姿勢にも共感するお客様が多く、人気が高いのも当然です。
ご紹介するSARTORIAパターンメイドスーツは、そのゼニアがハイクオリティなスタンダード商品として提供している「エレクタ(ELECTA)」生地で仕立てました。
英国の伝統柄であるバーズ・アイ柄は、きめの細かいまるで「鳥の目」が並んだような、無地からカジュアルへ一歩入った風合いのいい生地です。
風格ある三揃いには、最適な生地と言えるバーズ・アイ。
ゼニアのエレクタ生地の完成度の高い表情は、バストからウェストにかけての綺麗なドレープをさらに美しく魅せてくれます。
オーダーされたお客様は私と同じ50代の方ですが、高いゴージライン(上下の衿をつなぐライン)バルカポケットとAMFハンドステッチを施し、スタイリッシュにお仕立てしました。
ボタンはノーマルに並列にお付けしました。
シンプルな本ナット釦が抑えています。
表生地はネイヴィーなので、ライニングはシックにチャコールグレーをお選びいただきました。ウェストコート(ベスト)の背中もこのシックなチャコールです。
三洲堂テーラーの壁面いっぱいにストックされた紳士服地の中で、ゼニアのエレクタ生地で仕立てたスーツはその存在感をじわりと放っています。
スーツ生地のハイブランドをご体験するなら、品質の高さとプライスが正比例したゼニアをお選びいただいてはいかがでしょうか?
Ermenegildo Zegna ELECTA 320g/m Superfine Australian Wool
スーツS上下・お仕立て上り(税別)
SARTORIA パターンメイド・・・¥157,000より