コーデュロイは冬のイメージが強い生地です。
収穫の終わった田園の畝が延々とつづくヨーロッパ初冬の風景を思わせる柄が、コーデュロイのイメージを決定づけています。
ただしコーデュロイ生地は真冬にあまり向いていません。なぜなら素材が植物繊維の「コットン(綿)」ですから、保温性が良くないのです。
※したがって、真冬では無く少し肌寒いくらいの秋や冬の「日中の散歩着」に向いているとも言えます。
本格的なコーデュロイ生地は昔からドイツの二―デック社という名門があります。しかし、価格競争に巻き込まれ二―ディックも昔ほど多彩なコーデュロイをラインナップ出来ないようです。
そこで当店ではイタリア、ナポリの生地商「カチョポリ(Caccioppoli)」からコーデュロイ生地を仕入ています。何しろ色柄のラインナップが豊富です。最近はデリバリーも改善されて、ナポリから最速5日で鹿児島に生地が届きます!驚きですね。
お客様からオーダーのリクエストを頂いたのは、コーデュロイ生地のブラックジャケット、明るめのネイヴィーのウェストコート、その組み合わせに似合うフランネルの柄物のパンツです。
写真はお客様におことわりして、お顔のみ写さずボディの写真をお撮りしたものです。
ジャケットはブラックのコーデュロイ生地です。ブラックと云っても角度によって少し霜が降るような雰囲気になるのがコーデュロイの特長です。
シンプルなシングルブレスト2個釦のコーデュロイジャケット、ライニングも総裏にさせていただきました。
芯地をあまり硬くせずコーデュロイそのもののソフトなコットンタッチを生かすようなお仕立てを心がけました。
畝をつぶしてはコーデュロイの意味もありませんから、アイロンも若干低温で強く効かせないようにしています。
ライニングはお客様のご希望でカモフラージュ柄です。ベストの背中もカモフラ柄ですがジャケットの色合いを変えました。
ボタンは本水牛の艶消しです。
本切羽の本開きにさせていただきました。
ウェストコートは明るめのネイヴィーです。
ジャケットとの色合いの相性も良く、お客様のセレクト眼を尊敬いたします。
かといって単品でも色んなお洋服と合わせてお楽しみいただけます。
ということで、とてもお洒落感のあるコーディネートが完成です。
ご納品の際にスキャバルの新柄ネクタイと大島紬龍郷柄のフィクスポンチーフをご購入いただきました。次の日からのご出張に備えてとのことです。
三洲堂テーラーではコーデュロイ、ベルベット、ピュアシルクなど様々な世界中の生地をお取り寄せいたします。普段既製品では見つけられない生地のお洋服をお探しなら、きっとお役にたてるはずです。
皆様のご来店をお待ちしております!