入店10年になる仕立て職人の大迫。
最初の5年はズボンの職人として、そしてここ5年はメンズ&レディスのジャケット専門の裁縫士として、アトリエの中核となる存在です。下はその大迫がジャケットのラペル(下襟)の土台を作る、「ハ刺し(はざし)」と呼ばれる作業をしている写真です。きめ細かい「ハ」のカタチに刺し込みを入れています。
大迫は当初英国屋きっての名人職人、吉元の弟子として技術を習得していましたが、今では宮原という弟子を持つ立場となり、行進の指導をしています。
大迫が仕立てたジャケットが仕上がりました。
スリムなお客様のオーダーは、シンプルなシングルブレスト2個釦、センターベントのデザインです。
上襟と下襟を結ぶゴージラインが思い切り上がっています。上襟はシャツにピッタリと吸い付くように出来ていて、着用すると肩にソフトに乗り、包まれるような感覚になります。
肩と袖は立体的に構築されます。既製品との決定的な違いが、この襟から肩、袖にかけての立体感とバランスにあります。何故なら全ての人は肩幅、肩の傾斜、首の付き方まで違っているからです。そこを見た目と着心地のバランスをとり、クラシック(上質)な佇まいにしていく・・・これがBESPOKEの特長です。
シンプルなジャケットですが、お客様からの「こだわり」が入ったのは、このカフスの本切羽のボタンホール糸色です。交互に共色とホワイトの穴かがりを入れています。
ライニングは表生地のグレーに愛称の良いグレイッシュブルー。
ボタンは本水牛の艶消しです。
この英国ヒールドの生地は、355g/mの質感たっぷりのピュアウールです。仕立に向いたしっかりとした英国生地ならではの、良い雰囲気の仕上がりになりました。
これから末永くご愛用いただければいいですね。
気になるスーツS上下・お仕立て上りプライスは、
BESPOKE(仮縫い付き・ハンドメイド)・・・・¥176,000.(税別)
11月は大陸から急激に寒気が流れ込み、寒くなる模様です。
冬物の御仕度はお早目に、三洲堂テーラーへどうぞ!!