いよいよ9月に入りました。
8月末より突然のように「盛夏」が去り気温も30度を切ると、余計なお世話でしょうが、お客様に早く秋冬のスーツやジャケットをお薦めしなくては、と気が逸ります。
三洲堂テーラーのアトリエでも若い職人が、入店以来3回目の壁に挑んでいます。 英国帰りの宮原は、クールで厳しい先輩の大迫に貼り付いて、ジャケット仕立ての技術を学んでいます。 写真は人生最初の「ハ刺し」をしている様子です。出来はどうでしょうか・・・?
・・・・細かい!
「人生初の「ハ刺し」がその細かさでスタートして、このまま続くのか?」と、周囲から揶揄されているようですが、師匠の大迫は「そのままの細かさで一生続るといい!」と太鼓判を押しています。
ラペルの美しいロールを保つための「ハ刺し」は、肩入れや袖付けとならび、ジャケット作りの要諦です。
初心忘るべからず、という気持ちを持ち続けて欲しいです。
さて、英国を代表するミル「テイラー&ロッジ(Taylor and lodge)」社から、新しいコレクション生地バンチが届きました。同時にテイラー&ロッジ社の伝統技術への取り組みが記されたブックレットも届いています。
テイラー&ロッジは、1883年創業。英国毛織物産業の聖地と称されるハダスフィールド(Huddersfield)市中心部からやや南、ホルム川(Holme River)沿いに位置する、英国でも数少ないミル(織物工場です)。
ロケーションは下記MAPをご参考下さい。ハダスフィールドはイングランド中央部のやや北寄り、マンチェスターとリーズの中間位のロケーションです。
工場のすぐわきの道路の名前は、「Queen`s Mill Street」 。1960年代までは多数の織物工場が稼働していましたが、今ではこのテイラー&ロッジ社しか残っていません。
新生地バンチ「Holme River」はその名の如く、清流で知られるホルム川が由来です。
ホルム川はハダスフィールド西方のペナイン(Pennines)山脈が源流で、下流のホルム峡谷に流れ込む頃には、重なり合った石の層で濾過され、清潔な軟水になります。
この軟水は昔から原毛や、仕上がった毛織物の洗浄に使われました。ホルム川の軟水に付け込まれたテイラー&ロッジの生地は、やや荒くごわついた状態から柔らかくしなやかな高級生地に生まれ変わります。
Holme Riverには、新しくウール&シルク(25%)、Super160ウール(50%)、Super120ウール、3PLYウールなどの秀逸な生地が掲載されています。
すべての生地に、ラムズ・ゴールデン・ベール(Lumb`s Golden Bale)と称される糸が使われます。
これは、ジョゼフ・ラム社が紡績する選りすぐりの羊毛で紡績された糸自体の名称です。世界的に評価の高いこのゴールデン・ベールは、現在テイラー&ロッジ社だけに供給 されています。
全世界的にテイラー&ロッジの生地が高品質であると保証される理由の一つです。
それにしても、今までへヴィーウェイトのノーマルなウーステッド生地からフランネルだけがテイラー&ロッジの秋冬商品だとばかり思っていましたが大間違いです。
ウール&シルクなどは、生地の表情がシルキー過ぎず、かといって並みのシルクウールでは考えられないしなやかさと打ち込みの良さです。
50%Super160ウールと50%ゴールデン・ベールは、超細番手生地の新境地を見出したかのような、生地の表情の良さとしっかり感があります。285g/mというウェイトもちょうど良い厚さです。
Taylor and Lodge
Rumb*s Golden Bale (pure wool)使用
スーツS上下・お仕立て上りプライス(税別)
BESPOKE(仮縫い付きハンドメイド)・・・¥222,000から
SARTORIA(パターンメイド)・・・¥107,800から
FALL2016 SEASON IN ! 第二弾!
英国生地TAX FREE フェア開催!
全オーダー商品、TAX FREE 8%OFF!
この新しいバンチブック到着を記念して、三洲堂テーラーでは下記の英国生地使用のオーダーに際して、是消費税分、すなわち8%を値引きいたします。
これはテイラー&ロッジ社だけではなく、ダロウ・デール、ジョン・フォスター、サヴィル・クリフォード、スキャバル等の英国生地ブランドも対象です。
皆さまの英国生地スーツやジャケットのオーダーを心よりお待ち申し上げております!