写真のようなジャケットの袖の形状は、「シャツ袖」、「ナポリ袖」、「ふらし袖」などと呼ばれます。この袖、夏のジャケットの仕様としては、少し前から流行ってきています。
袖が身頃(=身体の本体部分)の下に付けてあり、肩部分に若干ギャザーが出ています。
普通袖に比べ、シャツと同じ構造ですからなにしろ動き易いのがメリットです。パットの厚さも抑えれば、極上の着心地です!
通常のジャケットの袖は、身頃=身体の部分の上に乗っかって付いています。
ジャケットのアームホールは、袖側のホールより少し狭くなっています。その狭いアームホールにアイロンを使って、袖を綺麗に成形しながら付ける事を「いせ込み」と言います。肩のラインに袖がうまく「いせ込まれる」と、ジャケットの仕上がりが違います。
このブラックリネンのジャケットは、一枚仕立てのリラックスウェアです。しかし色が黒ですから、どうしても「締まりすぎ」になってしまいます。
今回はリネンジャケットらしくハンドステッチ、袖の本切羽に加え、この「シャツ袖」仕様で、リラックス感を演出しました。
ボタンは本水牛のユニークなカタチ。ダークブラウンが生地のブラックにマッチしています。
ハンドステッチもいつもと同じく本物の「手」で入れました。同系色なのであまり目立ちませんが、さりげない主張をしています。
一枚仕立てのパイピングが清涼感をもたらします。
仕立て職人の加治木が精魂込めて作り上げました。
イタリアのリネンは少し柔らかく、なじみ易いのが特徴です。
このブラックリネンも、この夏活躍してくれそうです。
参考プライス
LINO ITALIANO 270g/m Pure linen
ジャケット・一枚仕立てお仕立て上り
BESPOKE(仮縫い付き・ハンドメイド)・・・¥140,000(税別)