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【新商品】英国の老舗ミルから届いたウール&モヘアスーツ

2016年6月8日

英国中央部、ウェストヨークシャーのハダスフィールド地区は、英国一の紳士服生地の生産地です。

老舗の「ミル」、すなわち織物工場が多数存在していますが、その中でも1883年に創設された「テイラー&ロッジ」社はハダスフィールドを代表するミルの一つです。

 

 

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1945年には水力により稼働させていた紡績機をいち早く電力化させ、生産を安定させました。

 

 

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現在は、古き良き手工業の良さを残しつつ、コンピュータ化されたマシンで生産を続けています。輸出品としての英国羊毛生地はいまだに一定の地位を占めています。

 

 

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時にはプリンス・オブ・ウェールズ(チャールズ皇太子)が視察に訪れ、工員を激励したりしています・・。

 

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話は変わりますが、敗戦後の1948年、鹿児島の天文館地区で再び営業を始めた当店が最も必要としたのは、英国製の高級生地でした。

 

当時の生地仕入方法は、大阪の本町界隈にかろうじて残った羅紗屋から仕入れる普通のルートと、英国の植民地、香港から台湾または沖縄を経て鹿児島に密輸同然で生地を仕入れる裏ルートでした。

 

 

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裏ルートは鹿児島ならではの地理を生かし、沖縄航路を運営していたある船会社のオーナーに頼み込んで香港または台湾を経由して生地を取り寄せていました。

 

生前の祖父によれば、その当時最も欲しかった生地こそ「Taylor&Logde」の紋章が付いた上質ウールだったそうです。

 

現在では、私たち極東のテーラーの手元にも、安定して生地が供給されるようになりました。

 

 

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最近テイラー&ロッジ社は、大手総合繊維メーカー「ブルマー&ラム」社の傘下に入り、独自の個性ある高級生地を織り続けています。

 

その一つに、モヘア(=アンゴラ山羊の毛)をウールとブレンドした、夏物生地があります。

 

 

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今回オーダーを頂いたスーツは、モヘア60%+ウール40% 240g/mの「ICE MOHAIR」という生地で仕立てました。

 

 

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黒の混じったネイヴィーに1.5センチ幅のやや目立たないピンストライプを配したデザインは、とても英国らしい生地といえます。

 

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張りがありシャリ感がある生地を使っていますので、着用感が立体的で包むような雰囲気です。

 

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生地自体の光沢がとても美しく、肩からウェストにかけてのドレープを美しく描いています。

 

 

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「背広」という名前の通り、背中から見てもクラシックな雰囲気ですね。

 

 

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伝統的な美しさという抽象的な言葉でしか表現できませんが、このスーツには永い時間をかけて熟成された英国の紡績工業の技術の「粋(すい)」を感じます。

 

 

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英国中部から高温多湿な日本に渡ってきたこの生地で仕立てたスーツが、この夏お客様のお役に立てると思うと感慨深くなりますね。

 

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Taylor&Lodge  60%Mohair & 40%Wool 240g/m

スーツS上下・お仕立て上り(税別)

SARTORIA(パターンメイド)・・・¥124,000から

BESPOKE(仮縫い付き・ハンドメイド)・・¥240,000から