「クラシック(CLASSIC)」という単語を耳なりに聞くと、想起するのは「クラッシック音楽」や「クラシック・カー」などの「古典派」のイメージではないでしょうか?
CLASSIC・・・・辞書によると以下の意味があります。
①(芸術品や工芸品において)一流の、最高水準の、典雅な、高尚な・・
②古典的な(特にギリシャ・ローマ時代の古典)・・
③流行にとらわれない はやりすたりがなく伝統的なスタイルの・・
私たちの業界、特に紳士服に関わる世界で「クラシック」と呼ばれるのは、辞書の①または③の意味で使われる最高のほめ言葉です。欧米でスーツを着ていて「You look classic!」などと御世辞でも言われると嬉しくなります。
私たちの目指すスーツは「クラシック」でなきゃならない、しかしもう一つ欲しいものが「艶」感です。
出来上がった服がいくら上品で流行にとらわれない正統派でも、服を着た際に男性なら男性の、女性なら女性のほのかな艶感が漂わなくてはなりません。
ほのかな艶、「色気」と言ってもいいでしょうが、これは服を着た際に漂う何とも言えないその人の魅力そのものです。
モデルではないから、艶感や色気なんて俺には無理だよ・・・と思われるならファッション誌のグラビアを見てください。
すばらしいボディの白人モデルがカッコよく服を着こなしていますが、リアリティや「色気」が感じられるでしょうか?
私は子供のころからファッション誌のある世界で育ちましたが、今までグラビアに色気を感じたことはありませんでした。
本来の仕事として、彼らは着ている服そのものを宣伝する為のイメージを作ろうとしているので、むしろ色気は抑え気味です。
面白い事に本当の色気は、その服をお金を出して買ったりオーダーしたりして着用するお客様からしか漂わないものです。
・・・・ということで、エルメネジルド・ゼニアのトロフェオ(TROFEO)生地で仕立てたスーツが完成しました。
構造的な織りの模様が見る角度によって変化する美しい生地です。シンプルに2個釦センターベントでお仕立てしました。
ウェストからバストへかけての綺麗なドレープが、着用するお客様の魅力を高めます。
胸ポケットから覗いているチーフは、ライニングのペイズリーと同じ生地です。
ポケットの袋生地を引きだすとポケットチーフになります。オーダーメイドはこのような工夫が出来ます。
ボタンはゼニアのオフィシャルですが、このペイズリーは英国LBD社のコレクションです。
三洲堂テーラーは、標題のような「クラシックで艶がある」スーツを常に心がけてお仕立てしていきたいと思っております!