イタリアの大手生地メーカー ロロ・ピアーナは、同じイタリアのエルメネジルド・ゼニアとならぶ高級生地ブランドになります。
ただしゼニアがプレタポルテ(既製品)もラインナップしているので、日本国内での知名度はやや低くなります。
このロロ・ピアーナが最もスタンダードな高級生地としてラインナップしているコレクションが、「タスマニアン(TASMANIAN Super150`s)」、そのタスマニアンの糸をダブルワープで織り上げて、320g/mのウェイトを付けた生地が、「ウィンター・タスマニアン(WINTER TASMANIAN Super150`s)」になります。
ロロ・ピアーナによると「ウィンタータスマニアン」は生地重量の33%までの水分を吸収することが出来ます。そして持続的な発散作用により、水分を空気中に放出するとのことです。
・・・・私も先代から、「上質な生地は呼吸するぞ」と言われたことがあります。ウィンタータスマニアンには、まさにこのような機能性があるということです。
天候が悪く湿気がある際はスーツは膨らみます。反対に晴れて湿度が下がると、パリッとした張りが戻ります。
今回オーダーをいただいた生地は、320g/mのウィンタータスマニアン、一番黒に近い「黒紺」あるいは「ミッドナイト」と呼ばれる、濃紺の無地です。しかもSuper150。生地のクオリティが高く、仕立て方により究極のドレープが発生します。
およそ濃紺無地のスーツほど、私たちBESPOKE TAILORの腕を問われる一着はないでしょう。正統派中の正統派ですから、そのスーツを着た方がいかに品良く、高潔に見えるか・・・。
まさに「Tailor makes the Man」を試されるわけです。
お客様はご身長もあり、スポーツ歴も長く、締まったご体格です。ただし肩幅がやや広くバストが大きいので、既製品で選ぶとオーバーサイズのスーツしか選びようが無いそうです。
このところ、肩幅やバストが大きくウェストは締まっている男性のお客様が多くなってきています。うらやましいことです。
背広は背中で着用します。美しく妙なシワが無いジャケットは「男性美」の一つだと思います。
ライニングはネイヴィーのドット。ボタンは本水牛の天然物です。
新年を迎える前に、このような正統派ダークスーツを誂え準備しておく・・・・。
そんな気持ちにさせる、まさに「壇上の一着」というところでしょうか。
この紺無地は「定番品」という位置づけですので、スーツを仕立てた後に、どうしてもウェストコート(ベスト)やズボンが必要な場合、追加して注文が可能です。これも「ウィンター・タスマニアン」生地のメリットですね。
Loro Piana WINTER TASAMANIAN Super150`s wool 320g/m
スーツS上下・お仕立て上がり
BESPOKE(仮縫い付き・ハンドメイド)・・・¥350,000(税込)