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【エッセイ】上衣の「ゴージライン」の高さについて・・・

2015年10月12日

「ゴージライン」 という名称をごぞんじでしょうか。

ご存知の方は相当なスーツ好きだと思います。

 

 

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ゴージライインとは、スーツの上衣の上衿と下衿の接続線の事です。

スーツを意識していない方にとって、ゴージライインなど関心を持つ事はまずないでしょう。

しかし、私たち服作りに携わる者や、スーツが好きな方々にはとても重要な「ライン」なのです。

 

 

 総丈関連図

 

 

スーツのサイズに関しましては、「黄金比」とも言える英国伝来の標準寸法があります。

 

上記のイラストがそれです。

 

①首の付け根から裸足の地面までの長さを「総丈」といいます。

 

②総丈の半分が「上衣丈」と「股下」になります。

※ただし、「股下」は日本人の平均。白人は違います。

 

 

③袖丈は、総丈×40%が平均です。

 

これさえ覚えておけば、クラシックなスーツのおおまかな寸法はOKです。

時代により、上衣丈が標準サイズから上下します。

 

 

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この写真は、およそ20年前の「ダックス」のスーツです。

 

現在と違ってスーツは身体に対して、ずいぶんと余裕を持って仕立てていました。上衣の長さは標準より3センチは長く、肩幅や袖丈も実際の寸法より2センチ以上大きめです。

・・・それにしても違和感ありますね。

 

ゴージラインは、思い切り下がっています。この写真のスーツに対する違和感は、全体の大きさとともに、このゴージラインの下がり具合に起因するところが多いのです。

 

 

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時代は変わり、昨日の私のスーツはこのようなシルエットです。

 

上着丈は、標準値から3センチ短くなり、それとともに釦位置、Vゾーンなど全ての位置が20年前に比べ、上がっていることがわかります。

したがって、上衿と下衿の接続線であるゴージラインも、思い切り上がっています。

すべては、「バランス」の問題です。

 

 

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皆様が見ているスーツが、古臭く感じられるか、新しいものだと感じるか・・・

 

全体の大きさが判らない時には、ゴージラインが決め手になります。

 

そんなお洋服に関する雑学を念頭にいれつつ、街を歩く男性のスーツに目を向けてみると、なかなか面白いものです。