最も公式なビジネスで使うスーツの色は、「濃紺」です。
「濃紺」のことを、素直に「DARK NAVY=ダークネイヴィーと呼ぶこともありますが、私たちの業界では往々にして、「MIDNIGHT=ミッドナイト」と呼ぶことがあります。
語感からは、何故かジャズの「ROUND MIDNIGHT」が想いおこされます。
しかし、私にとりましてはジャズではなく、King Crimson という英国のプログレッシブロック(!)バンドを連想します。1970年代にリリースしたアルバムには、とても詩的なタイトルが使われています。かれらの7枚目のアルバム名は、日本名「暗黒の世界」、原題は「STARLESS AND BIBLE BLACK」です。
英国の有名な詩人ディラン・トマスの作品からとられたフレーズ、「空には星も無く、荘厳なほどに暗い・・・」、から引用されたタイトルです。それにしても「暗さ」が際立った表現ですね。
そして私たちテーラーは先輩達から、最も濃い紺のことを「MIDNIGHT」という。その理由は、真夜中のほのかな光の下では、MIDNIGHTはBLACKよりも、艶やかな黒になるからだ、と教えられました。
こちらのスーツは、まさしくそのミッドナイト、「真夜中の濃紺」です。生地はゼニアのELECTA(エレクタ)330g/m の高級ウールです。
まさしく、公的な場に、大事な会議に、素敵なパーティーに、どのようなシーンにも「気品」をもって臨めるスーツだといえます。
パターンメイドSARTORIAでお仕立てをいたしました。
バストから襟にかけての、いわゆる「昇り」が美しく決まった、クラシックな一着です。
ボタンとライニングもゼニアのオフィシャルです。美しいブルーのライニングは、このスーツを着用する際のワクワクとした気持ちを盛り上げてくれると思います。
おりから、Ermenegildo Zegna , Dunhill , LANVIN のスペシャルフェアも開催中です。
皆様もぜひ、大切なスーツが必要な時には、三洲堂テーラーで「MIDNIGHT」をオーダーしてみてはいかがでしょうか?