10月中旬だというのに、日中の気温が26度位あります。
いいかげん秋も深まってきてほしいのですが・・・
三洲堂テーラーは、BESPOKE TAILORとして、スーツやジャケットのオーダーをメインに受けておりますが、この季節になるとコートのご注文も増えて参ります。
スーツの上から着用する、正統派のチェスターコートが比較的多いのですが、このようないわゆる「オーバーコート」のオーダーもいただきます。
テーラー内部でスタッフと打ち合わせする際の名称は単に、「オーバー」と言っています。
襟が通称「ステンカラー」と表現されることも多いのですが、これは日本独特の呼称です。正式名称は「バルカラー」となりますが、この呼び名も元々はスコットランド、インヴァネス地方の湖「バルマカーン湖」が語源ですから、襟の名前一つとっても面白いものです。
ラグランではなく、通常の袖が付くパターンでデザインしました。チェスターコートと違い、ウェストを絞りダーツを入れることはなく、割とボックスタイプのシルエットになります。
このウェスト絞りすぎない、というポイントが、余裕を持たせた大人の「オーバーコート」になる訳ですね。
バルカラーの襟はもともと防水性に優れ、釦を掛けたまま、襟を上に持ちあげると、雨天でも身体が濡れず、余計な心配が要りません。
しかし、この生地はカシミアですから、襟を中世ヨーロッパの貴族みたいに上げないで欲しいです(笑)。
BESPOKE(仮縫い付き・ハンドメイド)ですから、背中はとりわけ美しく見えるように仕立てます。背広もそうですが、コートの背中が決まっている姿は究極の男性美の世界です。クラシックなアメリカ映画の男性たちがコートを着ているシーンは数多くありますが、みな綺麗な背中を見せつけています。
ライニングは反対色の美しいシルバーを選びました。内ポケットとペンポケットも標準で付きます。
生地はイタリアのフランコフェラーロ(FRANCO FERRARO)。ご存じの方はよほどのお洋服マニアです。
おりしも、レディスコートのオーダーも入り、仮縫いを済ませました。
ふわりと巨大な上襟がうまく表現できると良いですが・・・・。
オーバーコートお仕立て上がり・・・¥120,000から
BESPOKE(仮縫い付きハンドメイド)のみ お取り扱いです。