ブログ

【新商品】ドラマ寸評 & カノニコのアンコンジャケット

2017年5月18日

最近人気のTVドラマ『CRISIS(クライシス) 公安機動捜査隊特捜班』。

 

人気俳優 小栗旬と西島秀俊がメインキャストで、脇を田中哲司や野間口徹が固める硬派の公安警察ドラマです。主役の二人のスーツスタイルに注目しました。

 

 

d

 

 

小栗旬と西島秀俊の着ているスーツが面白いです。

 

特に小栗旬が着用する光沢あるソラーロ系ベージュのスーツは、シングル一個釦、ラペル細め、フロントカットは角、パンツは股上浅い1タックと、とても個性的です。

ジャケットのボタンはいつも外していて、グレー系の色シャツはこれも釦を2個ばかり外しています。役柄の影のある少し無頼な刑事役に似合っていますね。

 

 

og

 

 

西島秀俊は完全に今の旬なクラシック・スーツスタイルです。引き締まったボディにピッタリのジャケットは撫で肩の西島氏をうまく包み込んでいますね。

いつもジャケットのフロントの釦を留めています。ホリゾンタルワイド系の白シャツに渋目のレジメンタルまたは無地のネクタイを必ず締めていて、暴走しがちな小栗旬を支える頼れるベテランの先輩役にピッタリです。

 

このような大型ドラマはこうした衣装考証もしっかりしています。面白いですね!

 

 

・・・ということで、本題に入ります(笑)

 

イタリアのレディメイドを中心に、ソフトな仕上がりのカーディガン感覚のジャケットが流行しています。ラルディーニ(LARDINI)、ボリオリ(BOGLIOLI)といったイタリアのメーカーは、芯地を柔らかくパッドもごく薄く、誰でも着やすいジャケットで有名になりました。

 

 

2

 

 

当店では、そんな着心地とイタリアンテイストのデザインをお探しの方に向け、パターンメイド「SARTORIA」の製品ラインナップに、アリストクラツイア(ARISTOCRAZIA/以下アリスト)という、ソフトな着心地のアンコンジャケットを用意しております。

 

 

3

 

 

 

3-1

 

 

そんなアリストの新作が仕上がりました。カノニコのウールメッシュのジャケット生地を使いました。写真でも判りますように、やや甘い雰囲気で織りあげた生地の表面には立体感があります。ただし「甘い」といっても、生地はしっかりと織り上げられていますからご安心ください。

 

 

4

 

 

とても雰囲気よくソフトな着心地の一着になりました。

肩の部分をご覧いただきますと、袖が肩の内側に付けられています。「マニカ・カミーチャ」と称されるシャツなどの袖付けと同じ縫製です。肩パッドもないので、いざ着用すると柔らかさと軽さに驚きます。

 

 

5

 

 

デザインもリラックスした雰囲気を出す為に、シングルブレスト2個釦、センターベント、腰はアウトポケットをお選びいただきました。

 

 

7

 

 

ボタンは生地に合わせて本水牛の明るめの艶消しをチョイスされました。

 

 

6-2

 

 

ジャケットの内側をご覧いただきますと、最小限のライニングを使った一枚仕立てとなっています。

 

 

6

 

 

ブラウンのライニングが表生地とよく合っていて素敵です。

皆さまも極上の軽い着心地とイタリアテイストのデザインをぜひお気軽にご体験下さい!

 

 

1

 

 

 

カノニコ(CANONICO)・イタリア pure wool 280g/m(メッシュ織り)

 

ジャケット・お仕立て上り(税抜き)

 

アリストクラツイア(パターンメイド)・・・¥50,100~

 

BESPOKE(仮縫い付きハンドメイド)・・・¥130,000~

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

オーダーメイド・オプションフェア開催中!

 

パターンオーダーシャツ・・・3個までオプション無料!

 

パターンオーダースーツ&ジャケット・・オプション1個無料!

 

BESPOKE・・・高級オプションライニング無料!

 

ぜひこの機会をご利用下さい!!

【新作品】ジェームズ・ボンドばりのタイトなスーツ

2017年3月11日

朝晩は冷え込みますが、日一日と陽光がまぶしくなってきました。

 

今日はすばらしく晴れ渡りました。卒業式などの行事も多いようなので、最高のスーツ日和といった一日ですね。合服ではやや寒く、冬服ではコートが要らない、そんな早春の雰囲気が好きです。

 

 

9

 

 

さて、お客様からのリクエストで多いものが、「映画007シリーズのジェームズ・ボンドばりの細めで、かつ動けるスーツが欲しい」というご希望です。

 

 

01

 

 

今回オーダーを頂いたスーツはまさにそのリクエストでした。

 

30歳前半のお客様は、BWHのサイズが95、75、94というジェームズボンド・スーツを狙うには理想的なご体格でした。

 

 

1

 

 

ジャケットの特長としては、アームホールを小さく、バスト周りもできるだけタイトに仕上げました。ウェストは当然絞りましたから、胸からウェストにかけてのドレープが美しく出せました。

 

 

4

 

 

生地はイタリアのミル、リアベラ(Riabella)の250g/mのフォーシーズン物。

柄は細やかなハウンドトウース・チェックです。触っても少し凹凸感があるので、出来上がりがイタリア生地というよりも英国物に近い雰囲気です。

 

 

2

 

 

5

 

 

ただし3メートルも離れますと、ハウンドトウースチェックがほとんど見えなくなり、ほぼ無地のダークスーツになります。そこがこの生地の魅力です。

 

3

 

 

250g/mのノーマルな番手のウールですから、生地がしっかりと織り上り、職人が仕立てる際の立体感をだしやすくなります。無数のハ刺しが施されたラペルのロールも自然に盛り上がります。

 

 

6

 

 

ボタンは光沢のある本水牛です。

上質な生地と天然物の水牛の角ボタンが馴染みます。

 

ライニングはメリハリを狙ってエンジ色です。

玉虫色の深いエンジが吸い込まれるようです。

 

 

7

 

 

生地ブランドの「リアビラ(Riabella)」は、イタリア、ビエラ地区の大手ミル「トレーニョ」の別ブランドになります。イタリアのメジャーなメンズブランドに「リアベラ」名で生地を供給しているようです。

 

 

8

 

 

タイトなパンツもお仕立てしまして、本日ご納品いたします。

動けてスタイリッシュなボンド・スーツになればいいですね!

 

 

11

 

 

Riabella Italy 250g/m pure wool

 

スーツS上下・お仕立て上りプライス(税抜)

 

BESPOKE(仮縫い付きハンドメイド)・・・¥178,000

 

SARTORIA(パターンメイド)・・・¥64,000

 

 

 

 

 

 

【今日のスタイル】趣味が高じて作ってしまったネイヴィー・ブレザー

2017年2月14日

私は映画や読書が好きです。

映画なら歴史物やSF,読書は政治経済モノ以外は「海洋小説」と云われる分野が特に好みです。

「海洋小説」とは18~19世紀、七つの海を制覇したとされる英国海軍を舞台にした分野です。その頃の軍艦は風を受けて進む帆船です。

 

 

 ps

 

 

ヨットのような単純な一枚の縦帆で進む船ではなく、3本マストにそれぞれ3枚の横帆が付いていて、木造の二層から三層もある巨大な艦が主役です。トップは艦隊の司令長官や艦長から下は少年水兵まで、艦を動かす乗組員数は約600人~850人位必要です。そうなると当然ながらそこには社会と組織が必然的に持つ人間関係や軋轢が生まれます。主人公の活躍とともに重厚な人間ドラマ、組織ドラマが繰り広げられることが、海洋小説の醍醐味になります。

 

 

81sx9MF2dJL

 

 

特に英国人作家C.S.フォレスター作の「ホーンブロワーシリーズ」はかの国では国民的なベストセラーです。作品はの1800年頃の海軍軍人の実態をリアルに描いています。エキサイティングな戦闘シーンのみならず、当時の国際情勢や産業革命まっただ中の社会の変化によって、失業しお金に苦労する生活も描かれています。特に服装や会食シーンは精緻に描かれています。

 

 

 hb

 

 

そこに描かれている文字だけで、英国海軍の士官が着用する軍服が当時としてもいかに高価であるか、安く済まそうとすれば安っぽい素材と悪い仕立ての服しか手に入らないことなど判ります。

また、金モールや軍刀、マントなどを質に入れざるを得ないシーンなども当時の物の値段を体感できます。

 

 

nvb 

 

 

19世紀中葉には、英国海軍の行動と生活様式はアメリカ海軍に伝わり、東洋で産声をあげたばかりの近代国家「日本」にも波及しました。日本海軍には基本的に英国伝来の作法が伝わり、日本独自の作法を加え、現在の海上自衛隊も英国海軍の影響が多数見受けられます。

その一つがネイヴィーの軍服になります。

 

 

 IMG_9596

 

 

ようやく服の話題までたどり着きました。今回私がオーダーしたジャケットは、写真のようなネイヴィーのブレザーです。シングルやダブルの4個×1個掛けブレザーは持っていましたが、ボタンが6個あり、「正六つ」という呼称の3個掛け釦を配したブレザーは初めてです。

 

 

IMG_9593

 

 

生地はウール&カシミアのしっかりとした打ち込みのネイヴィーです。

当店にストックしていたロロピアーナのウール&カシミア、ブレザー用生地で仕立てました。

 

IMG_9604

 

 

私の身長では6個釦になると、ブレザーの丈が短く釦の配置が一番問題でした。

ここは「仮縫い」で確認しながら調整したので、安心でした。

 

 

3

 

 

また、アトリエの黒木がこのブレザーを仕立ててくれましたが、各工程でこまめに着用して補正しつつ進めましたので、洋服屋の店主でメリットのある経験が久しぶりに味わえました!

 

 

IMG_9597

 

 

ボタンはどうしてもメタルにしたかったのですが、キンキラしたものは流行っていません。そこでなるべく渋めにブロンズ色の艶なしを選びました。

 

IMG_9605 

 

 

共生地でウェストコートまで仕立てられましたから、寒さ対策も万全です。

 

パンツは英国サヴィル・クリフォード(Savile Clifford)のフランネルです。純白のウィンターコットンも惹かれましたが、すぐに汚してしまうことを考えてライトグレーのフラノを合わせています。

 

 IMG_9602

 

カフスは体格があまり良くないので3つだけメタルを付けました。

 

 IMG_9598

 

 

・・・とうことで、永らく夢見ていた小説や映画に出てくるような服を作ってみて久しぶりに満足感を味わいました。

 

みなさまもぜひそんな「趣味が高じて作った服」を着てみませんか?

 

【エッセイ】映画「ワーテルロー(Waterloo)」と指揮官たちの服装

2016年10月9日

映画「ワーテルロー」は、1970年に製作されたソ連・イタリア合作の超大作戦争映画でした。

 

 

wtl

 

 

CGの技術が全くない当時、戦場の模様、軍装、兵器、1815年頃のパーティーシーンなど、せべてが手作りで作られ、アナログで撮影されています。

今でも映画を完成させるには大変な労力が必要です。そう考えると、当時の大作と云われる映画、「ベン・ハー」や「アラビアのロレンス」などはいかような熱意と手間暇をかけて製作されていたのか、想像もつきません。

 

 

fa

 

 

この映画はその名前の通り、ナポレオンが敗北した最後の会戦「ワーテルローの戦い」の一日を史実に沿って描いています。開戦前のちょっとした幕劇はあるいものの、映画のほとんどは史上まれにみる激戦を、ロシア人の監督がソ連陸軍の最大限の協力を得て撮影しています。

 

 

Christopher Plummer in Waterloo

 

 

英国軍を率いるウェリントン公爵を俳優クリストファー・プラマーが演じています。この人もキャリアが長い俳優で、私も沢山の出演作を観てきました。しかし、この作品のクリストファー・プラマーは長いキャリアの中でも、最も光り輝いています。

 

 

well

 

 

戦場に一人立つウェリントンは、目の覚めるようなブルーのシングルジャケットに白いパンツ、上襟はスタンドカラーとなっています。シャツの胸元には勲章を下げるリボンが美しいネクタイのように配されていました。

 

 

well2

 

 

凄絶な戦闘の最中、白馬に乗り指揮を取る彼の周囲は、英国伝統の赤い軍服(レッド・コート)の将校が固めていて、そのシーン自体が絵になります。

 

 

cp2

 

 

写真左の俳優ジャック・ホーキンスは勇猛なピクトン将軍を演じています。ご覧のようにピクトン将軍はダブルのフロックコートに雨傘を持つ、典型的な英国紳士姿です。

事実、戦場に軍服が届くのが遅れ、このような平服で指揮を取ったようです。彼が指揮する陸軍師団が前進する際には、バグパイプ奏者が随行し聞きなれたあのメロディーを奏でます。

不釣り合いの様で何故か戦場に響き渡るバグパイプの音色に闘争心が掻き立てられるのでしょう。

 

 

Wkihei

 

 

映画では、英国側の無謀なスコットランド騎兵の突撃の失敗と、これも効果が無かったフランス軍の近衛騎兵隊の英国方陣への攻撃なども描かれます。スコットランド騎兵は赤と金、フランス騎兵はブルーとグレーの軍服です。

 

fc

 

 

騎兵は花形だったのでしょう、両軍とも彩り豊かな軍服、サーベルを光らして突撃するその美しさは、実写ならではの映像です。

 

 

nap

 

 

忘れてはならない主役、皇帝ナポレオンを演ずるのは俳優ロッド・スタイガー。

伝説の英雄でありカリスマ指導者としての貫録を感じさせながら、中年になり少しづつ体力や判断力が鈍りつつ指揮をするナポレオンを見事に演じています。

 

 

nap3

 

 

これぞナポレオン・カラーという彼の代名詞となったコートを着て、馬形帽を昔風に横にかぶり、小太りの身体に後ろ手を組んで戦争の指揮をする。英国軍がウェリントンと幕僚たちのチームで指揮をするのと違い、すべての命令がナポレオンという権力者から発する。・・・そして負けていく。孤独が伝わってきます。

 

 

nap2

 

 

ロッド・スタイガーはナポレオンになりきって演じています。敗色濃厚な会戦の終盤、これまで皇帝に従ってきた歴戦のベテラン近衛連隊の最後の突撃と共に馬を進ませがらも、政治的な配慮で周囲から断られ、寂しく戦場を去るナポレオンを背中だけで表現していました。

 

 

fc2

 

 

nei

 

 

軍服やドレスの作製にどれほどの資金を投じたのか判りませんが、19世紀初頭の絵画でしか分からない当時の服装が甦る贅沢な映画だと思います。

 

 

 

Waterloo (1970)dvd

 

 

日本語字幕版も久々に復活したようです。よろしければ、一度ご覧になってはいかがでしょうか?