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【新商品】ザ・ローリング・ストーンズのファッションとゼニア極上「トロフェオ」生地のストライプスーツその①

2017年7月9日

オーダーメイドを生業としていますと、たびたび訊かれる質問があります。「この今のスーツのデザインはどれほど持つのか?」、言い換えますと「今の着丈短めタイトなスーツスタイルは、お金かけてオーダーしても流行はすぐ変わらないよね」という了解を求められます。

 

そんな時はスーツスタイルは約10年~15年周期で変動するので大丈夫!とお答えしています。

 

細やかな変遷は一度調べてみる予定です。

 

・・・そんな事を考えてふと自分が生まれた頃、1964年頃のスーツスタイルはどうだったんだろうと思い、ネットで当時の写真を探してみました。

 

 

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おお・・・ありました! 今なお現役のロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)が1962年にデビューして間もないころのプロモーション写真です。ストーンズのメンバーは制服のように同じ服を着て演奏したり、写真を撮られたりする事が嫌いでした。なので貴重な一枚だと思います。

 

 

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こちらの写真の方がストーンズらしいですね。良く観るとジャケット丈はほぼ標準的な長さで、3つボタンが多い。右端のビルワイマンのダブルブレストは当店のスポーティーなダブルのデザインにそっくりです。ミックを見れば判るように、パンツはノータックで丈は短く裾巾も細くなっています。ほぼ全員ブーツをはいているようです。

 

 

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ストーンズのスーツ姿の写真は70年代に入ると急激に減ります。フラワーチルドレンやヒッピーブームもあって、服はより装飾的に中性的に変化し、派手目のメイクもするようになりました。

 

上の写真ではバンド設立時のリーダー、ブライアン・ジョーンズが姿を消し、凄腕のギタリスト、ミック・テイラーが加入しています。音楽的な充実度は1970年代初期のこの写真の頃が高く、私も当店でBGMに流したりしています。

 

 

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最後の写真はストーンズ1972年のものです。

 

ミックとキースの服はよりワイルドになっています。このころの彼らの姿は動画や写真で多数観る事ができますが、少し近づきにくいカリスマ性と凄みが感じられます。

 

 

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そういえば、ミック・ジャガーのこのスーツはロンドン、サヴィル・ロウで当時大人気だった「トミー・ナッタ―」というテーラーで仕立てたものです。

 

 

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トミー・ナッタ―は年代に1970年代に大活躍したテーラーですが、80年代とともにそフェードアウト、80年代はアルマーニやベルサーチなどのイタリア勢がスーツスタイルを席巻する時代となりました・・・。

 

 

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・・・ということで、本日は「ゼニアのトロフェオの美しいストライプスーツ」に入る前に力尽きましたので、一枚だけ写真を載せまして、残りは明日以降UPさせていただきます。

 

 

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ちなみにこの鹿児島で「ストーンズが好きな方」とお会いしたことはほとんどありません。例外的に見た目も趣味もロックしているY様というお客様がいらっしゃる位です。

 

もしブログをお読みの方でお好きな方がいらっしゃいましたら、ぜひお声をおかけ下さいませ(笑)!

 

【新商品】ドラマ寸評 & カノニコのアンコンジャケット

2017年5月18日

最近人気のTVドラマ『CRISIS(クライシス) 公安機動捜査隊特捜班』。

 

人気俳優 小栗旬と西島秀俊がメインキャストで、脇を田中哲司や野間口徹が固める硬派の公安警察ドラマです。主役の二人のスーツスタイルに注目しました。

 

 

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小栗旬と西島秀俊の着ているスーツが面白いです。

 

特に小栗旬が着用する光沢あるソラーロ系ベージュのスーツは、シングル一個釦、ラペル細め、フロントカットは角、パンツは股上浅い1タックと、とても個性的です。

ジャケットのボタンはいつも外していて、グレー系の色シャツはこれも釦を2個ばかり外しています。役柄の影のある少し無頼な刑事役に似合っていますね。

 

 

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西島秀俊は完全に今の旬なクラシック・スーツスタイルです。引き締まったボディにピッタリのジャケットは撫で肩の西島氏をうまく包み込んでいますね。

いつもジャケットのフロントの釦を留めています。ホリゾンタルワイド系の白シャツに渋目のレジメンタルまたは無地のネクタイを必ず締めていて、暴走しがちな小栗旬を支える頼れるベテランの先輩役にピッタリです。

 

このような大型ドラマはこうした衣装考証もしっかりしています。面白いですね!

 

 

・・・ということで、本題に入ります(笑)

 

イタリアのレディメイドを中心に、ソフトな仕上がりのカーディガン感覚のジャケットが流行しています。ラルディーニ(LARDINI)、ボリオリ(BOGLIOLI)といったイタリアのメーカーは、芯地を柔らかくパッドもごく薄く、誰でも着やすいジャケットで有名になりました。

 

 

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当店では、そんな着心地とイタリアンテイストのデザインをお探しの方に向け、パターンメイド「SARTORIA」の製品ラインナップに、アリストクラツイア(ARISTOCRAZIA/以下アリスト)という、ソフトな着心地のアンコンジャケットを用意しております。

 

 

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そんなアリストの新作が仕上がりました。カノニコのウールメッシュのジャケット生地を使いました。写真でも判りますように、やや甘い雰囲気で織りあげた生地の表面には立体感があります。ただし「甘い」といっても、生地はしっかりと織り上げられていますからご安心ください。

 

 

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とても雰囲気よくソフトな着心地の一着になりました。

肩の部分をご覧いただきますと、袖が肩の内側に付けられています。「マニカ・カミーチャ」と称されるシャツなどの袖付けと同じ縫製です。肩パッドもないので、いざ着用すると柔らかさと軽さに驚きます。

 

 

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デザインもリラックスした雰囲気を出す為に、シングルブレスト2個釦、センターベント、腰はアウトポケットをお選びいただきました。

 

 

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ボタンは生地に合わせて本水牛の明るめの艶消しをチョイスされました。

 

 

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ジャケットの内側をご覧いただきますと、最小限のライニングを使った一枚仕立てとなっています。

 

 

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ブラウンのライニングが表生地とよく合っていて素敵です。

皆さまも極上の軽い着心地とイタリアテイストのデザインをぜひお気軽にご体験下さい!

 

 

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カノニコ(CANONICO)・イタリア pure wool 280g/m(メッシュ織り)

 

ジャケット・お仕立て上り(税抜き)

 

アリストクラツイア(パターンメイド)・・・¥50,100~

 

BESPOKE(仮縫い付きハンドメイド)・・・¥130,000~

 

 

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オーダーメイド・オプションフェア開催中!

 

パターンオーダーシャツ・・・3個までオプション無料!

 

パターンオーダースーツ&ジャケット・・オプション1個無料!

 

BESPOKE・・・高級オプションライニング無料!

 

ぜひこの機会をご利用下さい!!

【新作品】ジェームズ・ボンドばりのタイトなスーツ

2017年3月11日

朝晩は冷え込みますが、日一日と陽光がまぶしくなってきました。

 

今日はすばらしく晴れ渡りました。卒業式などの行事も多いようなので、最高のスーツ日和といった一日ですね。合服ではやや寒く、冬服ではコートが要らない、そんな早春の雰囲気が好きです。

 

 

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さて、お客様からのリクエストで多いものが、「映画007シリーズのジェームズ・ボンドばりの細めで、かつ動けるスーツが欲しい」というご希望です。

 

 

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今回オーダーを頂いたスーツはまさにそのリクエストでした。

 

30歳前半のお客様は、BWHのサイズが95、75、94というジェームズボンド・スーツを狙うには理想的なご体格でした。

 

 

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ジャケットの特長としては、アームホールを小さく、バスト周りもできるだけタイトに仕上げました。ウェストは当然絞りましたから、胸からウェストにかけてのドレープが美しく出せました。

 

 

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生地はイタリアのミル、リアベラ(Riabella)の250g/mのフォーシーズン物。

柄は細やかなハウンドトウース・チェックです。触っても少し凹凸感があるので、出来上がりがイタリア生地というよりも英国物に近い雰囲気です。

 

 

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ただし3メートルも離れますと、ハウンドトウースチェックがほとんど見えなくなり、ほぼ無地のダークスーツになります。そこがこの生地の魅力です。

 

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250g/mのノーマルな番手のウールですから、生地がしっかりと織り上り、職人が仕立てる際の立体感をだしやすくなります。無数のハ刺しが施されたラペルのロールも自然に盛り上がります。

 

 

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ボタンは光沢のある本水牛です。

上質な生地と天然物の水牛の角ボタンが馴染みます。

 

ライニングはメリハリを狙ってエンジ色です。

玉虫色の深いエンジが吸い込まれるようです。

 

 

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生地ブランドの「リアビラ(Riabella)」は、イタリア、ビエラ地区の大手ミル「トレーニョ」の別ブランドになります。イタリアのメジャーなメンズブランドに「リアベラ」名で生地を供給しているようです。

 

 

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タイトなパンツもお仕立てしまして、本日ご納品いたします。

動けてスタイリッシュなボンド・スーツになればいいですね!

 

 

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Riabella Italy 250g/m pure wool

 

スーツS上下・お仕立て上りプライス(税抜)

 

BESPOKE(仮縫い付きハンドメイド)・・・¥178,000

 

SARTORIA(パターンメイド)・・・¥64,000

 

 

 

 

 

 

【今日のスタイル】趣味が高じて作ってしまったネイヴィー・ブレザー

2017年2月14日

私は映画や読書が好きです。

映画なら歴史物やSF,読書は政治経済モノ以外は「海洋小説」と云われる分野が特に好みです。

「海洋小説」とは18~19世紀、七つの海を制覇したとされる英国海軍を舞台にした分野です。その頃の軍艦は風を受けて進む帆船です。

 

 

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ヨットのような単純な一枚の縦帆で進む船ではなく、3本マストにそれぞれ3枚の横帆が付いていて、木造の二層から三層もある巨大な艦が主役です。トップは艦隊の司令長官や艦長から下は少年水兵まで、艦を動かす乗組員数は約600人~850人位必要です。そうなると当然ながらそこには社会と組織が必然的に持つ人間関係や軋轢が生まれます。主人公の活躍とともに重厚な人間ドラマ、組織ドラマが繰り広げられることが、海洋小説の醍醐味になります。

 

 

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特に英国人作家C.S.フォレスター作の「ホーンブロワーシリーズ」はかの国では国民的なベストセラーです。作品はの1800年頃の海軍軍人の実態をリアルに描いています。エキサイティングな戦闘シーンのみならず、当時の国際情勢や産業革命まっただ中の社会の変化によって、失業しお金に苦労する生活も描かれています。特に服装や会食シーンは精緻に描かれています。

 

 

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そこに描かれている文字だけで、英国海軍の士官が着用する軍服が当時としてもいかに高価であるか、安く済まそうとすれば安っぽい素材と悪い仕立ての服しか手に入らないことなど判ります。

また、金モールや軍刀、マントなどを質に入れざるを得ないシーンなども当時の物の値段を体感できます。

 

 

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19世紀中葉には、英国海軍の行動と生活様式はアメリカ海軍に伝わり、東洋で産声をあげたばかりの近代国家「日本」にも波及しました。日本海軍には基本的に英国伝来の作法が伝わり、日本独自の作法を加え、現在の海上自衛隊も英国海軍の影響が多数見受けられます。

その一つがネイヴィーの軍服になります。

 

 

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ようやく服の話題までたどり着きました。今回私がオーダーしたジャケットは、写真のようなネイヴィーのブレザーです。シングルやダブルの4個×1個掛けブレザーは持っていましたが、ボタンが6個あり、「正六つ」という呼称の3個掛け釦を配したブレザーは初めてです。

 

 

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生地はウール&カシミアのしっかりとした打ち込みのネイヴィーです。

当店にストックしていたロロピアーナのウール&カシミア、ブレザー用生地で仕立てました。

 

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私の身長では6個釦になると、ブレザーの丈が短く釦の配置が一番問題でした。

ここは「仮縫い」で確認しながら調整したので、安心でした。

 

 

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また、アトリエの黒木がこのブレザーを仕立ててくれましたが、各工程でこまめに着用して補正しつつ進めましたので、洋服屋の店主でメリットのある経験が久しぶりに味わえました!

 

 

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ボタンはどうしてもメタルにしたかったのですが、キンキラしたものは流行っていません。そこでなるべく渋めにブロンズ色の艶なしを選びました。

 

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共生地でウェストコートまで仕立てられましたから、寒さ対策も万全です。

 

パンツは英国サヴィル・クリフォード(Savile Clifford)のフランネルです。純白のウィンターコットンも惹かれましたが、すぐに汚してしまうことを考えてライトグレーのフラノを合わせています。

 

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カフスは体格があまり良くないので3つだけメタルを付けました。

 

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・・・とうことで、永らく夢見ていた小説や映画に出てくるような服を作ってみて久しぶりに満足感を味わいました。

 

みなさまもぜひそんな「趣味が高じて作った服」を着てみませんか?