ブログ

【エッセイ】サイズ感、袖とシャツ、長さとバランス

2018年7月21日

先週末、新宿伊勢丹のあるレディース・ブランドでショッピングに付き合いました。

 

 

そのブランド製の手持ちのワンピースを、近々参加予定のパーティーで活用する為に、アクセサリーと靴を追加で買おうかと思っていたのです。

 

ワンピースはシンプルなデザインです。

ボートネックでノーマルなフレア。生地が凝っていて、肩からバスト周りは紫のスパンコールが付いています。全体的にはグリーン系ブルーベースの生地に、濃いベージュのペイズリー柄が乗っています。ややアフリカンなプリミティブな印象です。

 

 

8

※写真はイメージです

 

 

そのブランドショップには数名の女性スタッフがいたのですが、一人だけ存在感ある男性スタッフがいました。

彼はそのブランドのメンズのジャケットやパンツをゆったりと着ていて、いい雰囲気をだしていました。

 

女性スタッフと話しながら、ワンピースに合わせるネックレス、パンプスがほぼ決まったところで、その男性スタッフがアドバイスしてきました。

 

 

彼が言うには・・・

 

ワンピースはボートネックになっているので、パーティーならネックレス系のアクセサリーは不要。

 

イヤリングもかつてシャネルが言ったように「1ピース外す事が大切」なので、この基本ゴージャスなワンピースには不要。

 

購入を決めていたそのブランドのネックレスを、スタッフ自らが買わなくていもいですよ、と断言されて驚きました。

 

靴に関しては、チョイスしたオレンジ基調に金糸と黒の生地が混ざったパンプスは、ワンピースにピッタリ合うと思う。しかし、そのままではとても保守的になってしまう。落ち着きすぎないように、ワンピースと靴の間にデニムパンツを履いてもらう(!?)といいます。

 

そのデニムも当初選んだジャストサイズから、さらに2サイズアップして、腰で履かせました。

 

そうすると内側の縫い線が綺麗に落ちて、歩くとデニムがゆったりと泳ぎます。それがこのブランドのデザイナーが考えるコンセプトなんです、とのことでした。

 

 

RTW Paris Winter 2017

※写真はイメージです

 

 

さらに合わせるべきバッグなどもアドバイスをもらいました。

 

コーディネートの話が面白く的確なので色々と話すと、彼の祖母は私も知っていた有名なBESPOKE TAILORのご出身でした。

 

ジャストサイズを守るBESPOKE TAILORの世界とは価値観の全く違う、ゆとり感ある現在のブランドが好きで、そのブランドのスタッフになったとのことでした。

 

 

私たちが扱っているスーツの世界では、基本となる価値観が伝統的に積み上げられていて、あまり逸脱する事はありません。

 

しかし、お客様をより良く魅せるスーツスタイルが必ずあるはずで、そこにお客様とともに到達する事が私たちテーラーの使命です。

 

 

 

少し前に、私がフォローしているインスタグラムのアカウントで、英国の高級シャツ&ネクタイ専門店「ターンブル&アッサー(Turnbull&Asser)」が、面白い写真とコメントをアップしていました。

 

 

0-1

 

 

シャツの袖はジャケットの袖から、どれくらい見える事が正解なのかをターンブル&アッサーが論じていいます。

 

「シャツの袖はスーツの袖口から、シャツカフス幅の1/4から最大1/2、出ているべきです。これ以上でもなくこれ以下でもありません。」

 

 

 

cf (2)

 

 

 

一方私は今日このようなシャツの長さで着ています。

普通に手を伸ばすと約1センチほどカフスが見えます。腕を曲げるとカフスが約1/3出てきます。

 

 

 

cf (1)

 

 

 

どうやらターンブル&アッサーの主張するシャツ袖丈の方が、少しだけ長いようでが、彼らは以下の写真もアップしていました。

 

 

Image-1

 

 

Image-12

 

 

 

 

あまり変わらないようです。

 

 

英国生まれのスーツは、18世紀からつい最近の50年前までは、貴重品であり高級品でした。

 

着る人の汗や汚れを付着させる事が無いように、シャツの衿とカフスの上に貴重なジャケットは乗りました。だからジャケットの袖が直接素肌に触れないように、袖丈を長くしています。

 

最近は袖丈をむやみに長くする男性は減りました。基本に戻ってきているのでしょう。

 

 

1

 

 

スーツスタイルの場合、様々に変化するレディースファッションと違い、ストイックな数字の世界でバランスを取ります。

そして、シャツやネクタイ、チーフについてもベストな選択を考えなくてはなりません。

 

 

IMG_6501

 

 

しかし、伊勢丹で話した男性スタッフとの会話を思いだすと、ファッションの世界の「プロフェッショナル」と巡り合うことで、自分の世界も広がることを再認識しました。

 

さて・・・

明日は、パンツの丈について考えてみようと思います。

 

 

 

 

【ダンヒル】ドレッシー!ブラウン・ストライプ・スーツ

2018年7月20日

「アルフレッド・ダンヒル」・・・

 

 

英国を代表する高級メンズブランドは、馬具商を皮切りに、自動車周辺のアクセサリーメーカーとして成長、現在ではメンズ服飾の総合ブランドになっています。

 

 

ad

 

 

ダンヒルは2000年からサッカーW杯日本代表チームの、オフィシャルスーツを提供しています。今回のW杯でも、帰国する本田選手のベストにサングラスのスタイルは記憶に新しいところです。

 

 

honda

 

 

 

jpn

 

 

それにしても、メンバーの晴れ晴れとした表情がいいですね!

 

 

 

 

・・・ダンヒルに話を戻しますと・・・

 

 

以前は、テーラー向けに生地を供給していたダンヒルですが、2年前から生地のサプライをストップさせました。

 

一部の激安イージーオーダー店などに生地が流れ、オリジナルのダンヒル製スーツとかなり値段の開きが出過ぎたてしまった結果、かなりの需要があってもブランドイメージを護る為にやむなく撤退したとの話でした。

 

 

2

 

 

 

今回オーダーをいただいたスーツは、ダンヒルのウール&モヘア生地をお選びいただきました。まさに最後のダンヒル生地を仕入れていた分で、お仕立てさせていただいたのです。

 

 

3

 

 

 

ご友人のご結婚式で着用するためにオーダーされたスーツは、シングルブレスト、襟はピークトラペル、サイドベンツとしました。

 

 

5

 

 

大柄なお客様をスマートに魅せる為に、ピークトラペルは欠かせないと考えました。

 

 

 

4

 

 

サイドベンツは英国王室御用達のマークを持つ事もあった、ダンヒル生地ならではの「ブリティッシュ」なイメージを表現します。

 

 

9

 

 

 

ライニングは、英国のLBD(LEAR BROWNE & DANSFORD)社の美しいライニングブックからチョイスしました。

 

 

lbd (2)

 

 

 

lbd (3)

 

 

 

このライニングブックは、一日見ていても飽きがこないほど、様々な色柄、モチーフ&デザインが収められています。

※LBDライニング・・・オプションプライス¥15000(税抜)

 

 

 

6

 

 

 

ライニングの生地でポケットチーフを作りました。

 

ちなみに・・・シャツ生地は白ですが茶蝶貝を使い、刺繍ネームも茶色で入れました。

 

 

 

7

 

 

 

一年を通してお祝い事でご着用される為に、総裏を張りました。

見事なコントラストでついつい裏地を自慢したくなるような出来栄えです。

 

 

 

8

 

 

 

1

 

 

 

シャープかつエレガントなダンヒルのブラウンストライプスーツ・・・・

ぜひご愛用いただけますとありがたく存じます!!

 

 

 

IMG_6761

 

 

また、当店には上記ダンヒル生地のストックがございます。

 

上:夏物/Summer Kid Mohair + Super100`s Wool  250g/m

下:合冬物/Super100`s Wool 320g/m

両方とも・・・BESPOKE=250.000  パターンオーダー=¥125.000

 

只今SALE中です。ストック生地のオーダーは、定価の20%OFFです。

 

ぜひご検討下さいませ!

 

 

 

 

【パターンメイド】ロロピアーナ、ZELANDER DREAMでシャープなスーツ!

2018年7月19日

合夏服でもスリーピースをオーダーするお客様が増えてきました。

 

温度管理で言えば、夏期は上下で過ごし、早春や晩秋はウェストコートを付けると過ごし易くなります。

 

 

 IMG_6384

 

 

 

装いの格式でいえば、大切な場面ではスリーピース姿が信頼感と自信に繋がります。

 

 

2

 

 

ライトネイヴィーにブルーのストライプが入ったシャープなイメージの生地は、ロロピアーナの「ジランダードリーム(Zelander Dream)」。

 

 

 

3

 

 

 

4

 

 

 

240g/mのニュージーランド産ファインウールを強撚糸にして、しっかり織り上げたシワになりづらいスリーシーズン素材です。

 

 

 

5

 

 

 

ご要望でチェンジポケットをお付けしました。

  

ベントもサイドに切り、クラシックな英国的雰囲気を保持しています。

 

 

7

 

 

 

ボタンはイタリア製の「ステルス」。プラスティックの練りボタンですが、ブラウン主体の複雑でアートな雰囲気です。

 

 

8

 

 

 

ボタンと同様、ライニングもライトブラウンです。

ロロピアーナのオフィシャルロゴ入りです。

 

 

 

6

 

 

 

ジランダードリームは着用時のクラシック感とシワになりづらい実用性を兼ね備えたスーツになります。

 

 

1

 

 

 

Loro Piana Zelander Dream 240g/m pure New Zealand wool

 

スーツS上下お仕立て上りプライス(税抜き)

 

パターンオーダーメイド   ¥99800

 

Bespoke (仮縫付ハンドメイド). ¥208000

【祝!】タキシードなら三洲堂テーラーのBESPOKE!

2018年7月13日

夜の正礼装、タキシードのオーダーが増えてきました。

 

ご結婚式の式服としてオーダー頂くケースがほとんどです。

 

※正しくは燕尾服が第一礼装なのですが、あまりに手間がかかる服の為、国内では国賓級の宮中晩餐会、著名な例ではノーベル賞授賞式のスェーデン国王隣席のパーティーなどでしかお目にかかりません。

 

 

19

 

 

 

20

 

 

今回タキシードのオーダーをいただいたお客様は、8月のご結婚式で着用される予定です。加えて高校の吹奏楽部の指揮をされてらっしゃるので、演奏会でもこれからどんどんご着用することになる、とのことでした。

 

 

8

 

 

タキシードには、シングル胸、ダブル胸の他に、ラペルのカタチを大まかに2種類からお選びいただかなくてはなりません。上の写真はショールカラーです。

 

 

1-2

 

 

三洲堂テーラーでは、約7割がショールカラーすなわち「ヘチマ襟」のオーダーをいただきます。ただし、上の写真の様なピークトラペル=「剣襟」も人気です。

 

「タキシード」は元々英国発祥の「ディナージャケット」がアメリカで流行し、「タキシード・クラブ」という団体が出来ました。クラブを主宰した方々が、リラックスしたムードのショールカラーを好んだがゆえに、タキシード=ショールカラーというイメージが定着したようです。

 

また、礼装のルーツである英国では、第一礼装の燕尾服がピークトラペルですから、自然にタキシードもピークトラペルにされる方が多い。

 

さらには、主宰、主役=ショールカラー、列席者=ピークトラペルという考え方もあります。

 

 

2

 

 

当店ではご結婚式に出席する新郎様が多いので、ショールカラーになるのも自然のなりゆきかもしれません。

 

私自身は両方持っていますが、もっぱら非日常感あふれるショールカラーを着用しています。

 

 

21

 

 

実はこの優美なカーブを描くショールカラーも、様々なカタチがあります。

細くてシャープなフォルム、今回の様なゆとりのあるフォルム、下ぶくれのぽったりとした優雅なフォルムなどなど。

 

 

 4

 

 

ここはBESPOKEの世界です。

オーダーするお客様にピッタリのショールカラーが必ず存在します。スタッフと一緒にあれこれ考えるのも愉しいひと時です。

 

 

 

9

 

 

 

仕上がったタキシードをご試着いただきました。

 

立派な御体格のお客様は、もともとトランペット奏者でらっしゃいます。子供のころからジャズバンドに入り、トランペットを吹き鳴らしていたそうです。バストがとても大きいのは肺活量もあるのでしょう。・・・なので、どんなスーツを着ても胸が開いてしまい、困ってらっしゃるとのことでした。

 

 

13

 

 

着用すると、写真のようにまったく胸が開かず、指揮をするように腕をまわしてもストレスなくジャケットが吸い付いています。こんな服は初めてだ!とお褒めいただきました。

 

 

 

14

 

 

 着用感がいい理由の一つは、生地がナチュラル・ウール・ストレッチ素材であるからです。最近人気のイタリア「トラバルド・トーニャ(TRABALDO TOGNA)」。

 

 

10

 

 

 

こんなにストレッチが効く生地はまずお目にかかれません。糸の成型からストレッチ性を加え、さらに特別な織機で織り上げています。

 

 

12

 

 

 

ボタンは共生地でくるみました。

ご試着のシャツは、ウィングカラー、ひだ胸、ダブルカフスです。

 

 

7

 

 

 

ライニングは少し遊んで、ブラックのペイズリーをお入れしました。

 

 

 12

 

 

 

最後に記念写真をいただきました。

私はいつもながらの「引き立て役」です。

 

 

 

18

 

 

 

いいご結婚式になりますように!

心から祈念いたしております!

 

 

 

1

 

 

タキシード・お仕立て上りプライス(税別)

基本的に、BESPOKEでお請けいたします。

スーツS上下・¥178000+3万円*=¥208000より

※ラペル拝絹、トラウザー側章、くるみ釦などの作業費用とお考え下さい。