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【新製品】オーダーメイドの醍醐味とは・・・?

2015年11月22日

今から丁度20年前に、サラリーマンを辞めてこのテーラーという家業に参画したころ、仕立てられたスーツの身頃の内側には、現在のように各生地ブランドのネームを付ける習慣がありませんでした。その代わり、「Tailored by SANSYUDO」と表記された、いわゆる「テーラーマーク」だけが縫いつけられていました。

 

 

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当店だけではなく、広く日本全国のテーラーは生地ブランドマークなど意識していませんでした。あくまで材料としての生地を扱っているのであり、自分の店が「ブランド」なのだと確信していたのだと思います。当時アトリエでは、生地に付いてくる「生地ブランドマーク」を全て捨てていました。それにお客さまからもとりたててリクエストは無かったように記憶しています。

 

 

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まもなく、ブランド生地ブームが起き、クラシコイタリアブームなどもあり、生地ブランドがステータスの一つになりました。今では、「Ermenegildo Zegna」や「Loro Piana」など、生地マークを付けるのが当たり前になりました。時には、ライニングやボタンも生地ブランドのロゴ入りを供給しています。

 

 

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今回ご紹介するスーツをオーダーされた方は、生地ブランドにはさして興味無く、選ぶ生地は限りなくブラックに近い上質なネイヴィー、織り柄のあるもの。とにかく「カッコいい服を作って欲しい」というリクエストをいただいています。

 

ただし、ライニングにはこだわりがあり、裏だけは人と違う雰囲気を持ちたいとのことでした。

 

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ということで、こちらのスリーピース・スーツが仕上がりました。

生地はエルメネジルド・ゼニアのTROFEO/SILK  230g/m。

シルク6%が織りこまれた光沢と質感のある上質生地です。

 

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上質な生地ほどスリーピースのように、贅沢にたっぷりと生地を使いたいものです。少しづつ寒くなってくるこれからの季節、スリーピースはお役に立てることと思います。

 

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ライニングはブルー系の大柄ペイズリーになりました。お客さまからのリクエストは「エミリオプッチの様な楽しい派手な柄」とのことでしたが、なかなか見当たりません。ボタンはゼニアのオフィシャルが付いています。カフスのボタンは本切羽ですが、こちらも一工夫しています。

 

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「スーツは背中で着るものであり、魅せるもの」だと思います。美しい背中を表現するのは難しいのですが、裁断士・伊達のカッティングと裁縫士・大迫の丁寧な仕立てで、美しい背中になりました。

 

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ラペルの「ハ刺し」や上衿の処理も、時間をかけて丁寧にきめ細かに作られています。この「ハ刺し」こそジャケットの生命線である、フロントの美しいロールを構築させる見えざる作業です。

 

 

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オーダーメイドの醍醐味は、自分の魅力を最も引き立ててくれるお洋服が手に入ることです。

 

「生地ブランド」も信頼性と満足感の証ですが、それだけではありません。

私たちが「三洲堂テーラー」マークを付けるのは、85年間ずっと積み上げてきたBESPOKE TAILORという仕事を通して、お客様の魅力をさらに引き立てる存在でありたいからです。

 

 

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固い話はこれくらいにしまして・・・年内のBESPOKEでの納品にはまだ若干の余裕がございます。

 

みなさまのご来店を心よりお待ちしております!